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裏庭の掃き掃除をしていたら、にゃぁ、と小さな鳴き声が聞こえてきた。手を止めて辺りを見渡すと茂みの中から黒猫が顔を覗かせている。
「どーしたのにゃんこちゃん」
箒を置いて歩み寄ると、彼女は足元にしなやかな体を擦り寄せてくる。
「今日はまだセバスチャンさんからご飯もらってないの?」
屈んで問いかけると彼女は再びにゃぉと鳴く。
その声と重なるように、彼女の後ろから二匹の仔猫が現れた。
「あれ?子供いたんですか。あーあ、セバスチャンさん振られちゃったねー」
みゃあみゃあと鳴く小さな
仔猫は警戒心の欠片もなく私の膝の上によじ登ってくる。
人懐っこさに驚いているともう一匹の仔猫がメイド服とエプロンのあいだにするりと潜り込んできた。
「ほあっ!?ちょっとにゃんこちゃんっ…!」
擽ったさにその場で倒れ込んだ。
そんな私の顔を覗き込むのは、丸い琥珀色の瞳。
悪びれる事など勿論なく、仔猫達は私の上で好き勝手にじゃれ合い始めた。しかし、あの悪魔でさえ魅了する愛らしい姿には口元が緩む。
仔猫達はそのままに、私は黒猫の彼女を抱き上げた。
「ほんと、可愛いよね…」
愛
玩動物
(冷眼でなく嗜虐でなく、)
彼に、柔和な瞳で見つめられるのはどんな気持ちなんだろうか
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†
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