眠り姫は夢から醒めたpart2 | ナノ
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迷った…
もう!どんだけ広いんだよ、この屋敷は!

自分の部屋に戻れないなんて。

夜中の廊下は真っ暗でさすがに恐い。


「何をしているのです?」

「Σぎょわっ!!?」

肩を後ろから手で触れられて飛び上がった。

「セバスチャンさん…」

「どうしました?こんな夜中に」

「…迷いました。部屋に戻れません」

彼は一瞬きょとんとした顔で私を見下ろし、くすりと笑った。

「分かりました。ついてきて下さい」

「え、あの、」

セバスチャンの手袋をはめた手が私の手を握った。

「はぐれたら困るでしょう?」

微笑んだ彼は蝋燭の灯りに照らされたせいか、妙に色っぽくて。

私は黙って手を繋がれたまま彼についていった。


『暗闇の中を導いてくれたのは、闇より黒い漆黒の悪魔』


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