clap1
迷った…
もう!どんだけ広いんだよ、この屋敷は!
自分の部屋に戻れないなんて。
夜中の廊下は真っ暗でさすがに恐い。
「何をしているのです?」
「Σぎょわっ!!?」
肩を後ろから手で触れられて飛び上がった。
「セバスチャンさん…」
「どうしました?こんな夜中に」
「…迷いました。部屋に戻れません」
彼は一瞬きょとんとした顔で私を見下ろし、くすりと笑った。
「分かりました。ついてきて下さい」
「え、あの、」
セバスチャンの手袋をはめた手が私の手を握った。
「はぐれたら困るでしょう?」
微笑んだ彼は蝋燭の灯りに照らされたせいか、妙に色っぽくて。
私は黙って手を繋がれたまま彼についていった。
『暗闇の中を導いてくれたのは、闇より黒い漆黒の悪魔』
[
戻る]