昼飯を食い終わってから、さっそく彼女が借りてきたDVDを見ることになった。

俺もこいつも基本的には洋画派なので、「邦画だろ」「いや、絶対洋画!」というような対立は特にない。

が、映画の内容によっては俺に問題が生じてくることをぜひ察していただきたいと思います。


どういうことかというと、まあ、簡単に説明すれば、映画には「アクション・SF・コメディ・スリラー・恋愛」といったおおまかなジャンルがあると思う。
俺が好むのはもちろんアクションやSFといった男ウケがいいもの。スリラー系はモノによっては少し苦手なモノもある。


問題はそう。恋愛モノだ。


彼女は見た目に反して(と言ったら怒られるだろうが)恋愛モノが大好きだ。というか、感動する系の話はだいたい好きらしい。

以前、恋愛モノの映画を一緒に見に行ったとき、もちろん内容にはラブシーンが含まれていた。
洋画のラブシーンは邦画と違って、なんていうか、エロさがハンパねぇ(個人的に俺はそう思う)。

もちろんそういったシーンがあるとは身構えていたが、そのままベッドシーンにいくなんて思っていなかった俺は、心の中で岡村のことを思い浮かべながら必死に雑念を振り払おうとしていた。

あのときは勝手にお前を使ってゴメンな、岡村。

映画が終わり感動して泣いていた彼女に、心の中ですごく申し訳ないと思いながら「いい映画だったな」なんて言った記憶がある。あのときの自分はマジでクソだった。


説明が長くなってしまったが、つまり、だ。


俺らはキスは済ましているが、まだ、最後までいっていない。

つまり下手をすれば、今日俺は、アイツに手を出してしまうかもしれないのだ。


いや、だってさ。


まず、俺の家にいるってことが一つ目の材料だと思ってください。

二つ目。彼女は基本パンツスタイルだが、股上が浅いものが好きらしく、隣に座っているときにたまに上の服とスキニーの間から下着が少しだけ見えてしまう。
そういった場合、「パンツ見えてるぞ」なんて言えるわけもなく全力で目を反らす。
全力で、だ。

三つ目。まだ少し肌寒い日があったりする季節なので長袖なのはいい。だが、なんで今日に限って襟元そんな明いたやつ?キャミソールのヒモとか、ぶ、ブラジャーのヒモとか見えてるんですけど。



俺、試されてんのかな……もうなんかギブだよ。



「……すけ…!健介!!」

「うおっ……!な、んだよ」

「なんだよじゃなくて!DVD!見よ!」

「ああ……はいはい」


DVDプレーヤーに電源を入れ、彼女が借りてきたものを手に取る。


「なに借りてきた。洋画?」

「うん。去年の夏に流行ってた恋愛系のやつ!めっちゃ気になってたんだ」


俺、終わったかもしんない。



 


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