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しばらく歩くと、俺達は甘味処の看板を通り過ぎた。
すると、俺の一歩前を歩いていた姉貴が突然立ち止まってくるっと俺の方を振り向いてきた。
「ねぇ、折角だから寄っていかない?」
そう言って姉貴はニコニコしながら看板を指差す。
「はぁ?!やだよめんどくせー…。俺は早く帰りてーんだよ」
「いいじゃん!たまには姉弟の親睦を深めるってのも♪」
「別に親睦なんて深めねーでもいいし;」
「…シカマルってさ、冷めてるよね」
「勝手に言ってろ」
そのまま家に帰ろうと歩を進める。
「……そーいえば、この前の将棋で賭けてた事覚えてる?」
「…あ、」
俺はつい数日前の事を思い出した。
確かこの前、姉貴と将棋を指してた時…負けた方が勝った方の言う事を1つ聞くなんて賭けをして…。
結局俺が負けちまったんだっけなぁ…。
「って事で!私に付き合ってね」
「…めんどくせー」
ここで俺は、渋々姉貴についていった。
―――――
「すいませーん、白玉ぜんざいを一つ!」
店に入ると姉貴は早速注文をした。
「シカマルは?何か食べる?」
「俺はいい…」
「そう……?」
「いただきまーす♪」
「……;」
頼んだものが来ると姉貴は早速それを頬張った。
これだけ見てると、姉貴もサクラ達と変わんねーんだなぁ…。
「ねぇシカマル?」
「んぁ?」
そんな事を考えていると、不意に話し掛けられた。
「シカマルってさ……好きな子とかいるの?」
「はぁ?!何をいきなり……;」
「いや、姉としては弟の私生活も知っておかなきゃなぁって思って…」
「私生活って…;毎日顔合わせてるだろーが」
「いや、そりゃそうだけどさ……。で、どうなの?」
「いねーよ。大体んなもん興味ねーし」
「なんだぁ…。つまんないのー…」
俺がそう答えると、姉貴は心底残念そうに言った。
「でも、もし好きな子が出来たら私に言ってね!!何でも相談にのるから」
「へいへい……」
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