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「ご苦労だった」
あれから、何度も転びそうになりながら死に物狂いで急いだおかげで、なんとか綱手様には怒られないですんだ。
本当、私が雑用係になる前は誰がこんなことやってたんだろう…。
「じゃ、今日はもう帰らせていただきます」
お疲れ様でした。さようなら。と一礼し、ドアノブに手をかけると、
「まぁ待て。ちょっと話がある」
「え?」
絶妙なタイミングで綱手様に呼び止められた。
「に、任務復帰…?!」
「あぁ。そうだ」
呼び止められて、綱手様の口から出た言葉は信じられないものだった。
「ちょっと待って下さい!何でまたいきなり…」
「お前もそろそろ反省してる頃だと思ってな」
「いや、反省というか…」
ただ言われたから今まできちんと仕事をこなしてきただけなんですけど。本当に反省すべき人は今頃別世界で楽しく暮らしてる頃だと思う…。
「それに、今里は人手不足に陥っている。正直な話、こんな雑用に忍を起用するほどの余裕が無くなってきた」
「はあ…」
「そこで、お前を再び忍として通常任務に戻すことにした」
「…で、いつからですか?」
「本当は明日から、と言いたいところだが…3日、3日間休暇をやる」
「え?!み、3日って…!!」
私は思わず身を乗り出してしまった。え、3日間休んだら私も忍者になるってことだよね…?
「何か異議はあるか?」
いや、ありまくりだよ!!私今の今まで忍術なんか使ったことないんだけど!!
「あの…これは強制、ですか?」
「当たり前だ。琴音、お前またサボろうなんて考えてないだろうね…?」
「い、いえ!!滅相もない…」
何か効果音がつきそうなほど睨みをきかせる綱手様に、アハハと曖昧な笑みを返してみせる。
「と、りあえず、今日のところは失礼しますっ!!」
私はペコッと素早く一礼して、そそくさと部屋を出た。
どうしよう…。ああ、元の世界に帰りたい…。
―――――
久々のトリップ連載更新です;
さて、これからヒロインはどうなってしまうのでしょうか…?
私にも分かりません!!←
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