鳥啼く唄
乏しい色に見つけて純情
理性をなくしたけだもの
名も知れぬ花への侘しさ
朽ちた記録は褪せぬ記憶
堪える寒さは空白のせい
酔いも覚める深夜の幻想
ステンレス心臓が欲しい

許さないと泣いたあのこ
面倒はまとめて資源ゴミ
サンタを信じる健気な心
纏わりつく雨は誰かの涙
背中合わせで泣いた僕ら

見つからない思い出は塵
夜だけの残像は色めいて
愛だけは他意はなかった
気怠い横顔に湧いた劣情
別れの合図は発車の汽笛
手向けの花を添えた手紙
坩堝にはまった午前二時

干からびた感情は戻らず
んって返事にこもる本心
悲しげな虚栄にさよなら
静寂に佇む哀しみひとつ
惜しくないと思ったのに

袖が濡れても気付かずに
来世は他人のフリをして
いつだってわたしは幽霊
論理も解さない君のこと
端から期待なんて想定外
絵空事なんて笑わないで
手を繋いでも幸せは遠く

大人になっても叶わない
嫌いになれない有象無象
罪深く生きていると懺悔
平気な顔して妄言を密告
二度と戻らぬ君との距離

本音は深く闇の中で封印
不都合な真実は塗り替え
眠れない夜に嘯く世迷言
胸の内は誰にも明かさず
連絡を待っていたら永眠
居ないはずの彼女の真似
泥濘から出られない現実

戻らぬ過去は悔やまずに
屋根から滴る雨粒に濡れ
脳内が私で溢れてほしい
運命は信じたほうが負け
血みどろの愛は受取拒否

鳥啼く声す 夢覚ませ
見よ明け渡る 東を
空色映えて 沖つ辺に
帆船群れゐぬ 靄の中


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