番外編  | ナノ
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自分の制約を破ってしまうほどに緑谷に気圧された。
あの時緑谷に感じたものはオールマイトと同じそれだ。
赤音への懺悔よりも先に左の個性を使ってしまうなんて。これじゃあ、制約を決めた意味が無い。
てっきり緑谷はオールマイトの隠し子かと思ったが、そうではないらしい。
それでもオールマイトとつながりの深いんだろう。それなら、尚更勝たなくてはいけない。
何故そこまで固執するのかと緑谷に聞かれ、クソ親父のこと、お母さんのこと、赤音のことをざっくりと話した。

「無個性に生まれた双子の姉をクソ親父は養子に出した。実の娘を、アイツは捨てたんだ。」

そう話した時、緑谷がまるで恐ろしいものを見るかのように俺を見た。
いっそ、その双子の姉が赤音だと言ってやろうかと思った。
八つ当たりなのは自覚してるが、何も知らねえくせに赤音と楽しげに話すコイツが許せなかった。
だが、そうしたら赤音が悲しむだろうと思い口を閉じる。


緑谷が言い返すとは思わなかったが、関係ねえ。俺は更にその上に行くだけだ。


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