番外編  | ナノ
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授業が終わり、麗日さんと飯田くんと蛙吹さんで昼食を食べることになった。
蛙吹さんに席を取っておくのをお願いして3人で昼食を取りに行っていたところ、お盆を手に周囲を見回していた塚内さんを見かけた。
入学してから初めて見かけた塚内さんに思わず声をかけた。緊張して思わず声が裏返ってしまったけど。
久しぶり、と答えてくれた塚内さんはどうやら食事をする場所を探していたみたいだった。他の場所で食事を取ろうとしていた塚内さんだったけど、席取りをしたところの席がひとつ空いていたのを思い出し、慌てて麗日さんと飯田くんに相談しに向かった。

「あの、実は僕の知り合いが席が見つからなかったみたいで、一緒に昼食を食べたいんだけどいいかな?」
「あぁ、もちろん構わないぞ」
「うんうん。全然オッケーだよ!!」
「ありがとう!」

快く了承してくれた2人に感謝して塚内さんのもとへと戻る。
時間割の関係でヒーロー科と普通科はほとんど顔を合わせる機会は無くて、この先その機会がやってくるかも分からなくて、つい無理に誘ってしまった。困惑しながらも一緒に昼食を食べれることになって嬉しかった。

食事をしている間、塚内さんはどこか決まりが悪そうにしていて、やっぱり変に気を使わせてしまったかと内心申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
けど、麗日さんに同じ中学出身なのかと聞かれたときに塚内さんが海浜公園でのことを話そうとして思わず大きな声で遮ってしまった。飯田くんの言葉に慌てて口を閉じたけど、内心動悸が止まらなかった。
クラスメイト達の間でも海浜公園のことが話題になっていたのは知っていたけど、あれは僕とオールマイトの秘密なんだ。どうか言わないで欲しいという気持ちを込めて塚内さんを見つめると、その事に気付いてもらえたのか濁しながら話してくれた。
思わず僕の口からは安堵の息が漏れた。

興味深げにヒーロー科の授業の話を聞いていた塚内さんについつい色々と話しすぎてしまって、あっという間に昼休みの終了を告げるチャイムが鳴った。
麗日さんや蛙吹さんが塚内さんとLINEのIDを交換し合ってて、僕と飯田くんも塚内さんとIDを交換した。
ふと塚内さんを見るとスマホを見つめたほんの一瞬、嬉しそうに笑みを浮かべていた。


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