政宗初陣その後/主人公視点/暗め



目を覚ますと政宗様の顔があった。
嗚呼、生きているとの安堵は自分に向けたものだろうか、政宗様に向けてのものだろうか。

「お前は、死にたいのか」

それはあまりにも間違った見解だ。
死にたくなどない。
死ぬ事は許されない。
もし、やむを得ず死するときは主、貴方様のために限られる。
故に、こ度の様に己の命を投げ打っても構わないというのに、貴方様にそのような顔をさせるのは実に忍びない。
出来れば、この身潰えるその時までそのような顔はさせたくないものだ。

ならばどうすれば良い。
今以上に強くなれば良いのか。
しかしそれは当たり前の事過ぎて的確な答えとは言い難いだろう。
願わなくとも、俺はこれから更に強く成らねばならない。


傷が痛む。

顔をほんの少し歪めれば、政宗様の苦渋の表情が色濃くなった。

そうか、痛みを感じなくなれば良いのだ。
俺とて人間であり、傷が痛めば顔に出る。
しかし痛いや、辛い、苦しみ……弱った姿を見せてしまう事で普段は勝ち気な貴方様の瞳を揺らしてしまうのならば。
いっそ、俺は無痛を望む。手足がちぎれようと、目鼻を削ぎ落とされようと、喉を潰されようと痛まぬ身体を俺は望む。







若い政宗と何だか思考回路がおかしい主人公




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