「あの、ええとどうも、幽霊です。こちらがマイハニーの影う、げふっ」
「学習能力ねーなてめーは。つかなんだよ、またあんのかよ。何回目だコレ」
「ありがたいやん。……あのさ、影浦……」
「質問あんだろ。とっとと読めよ」
「え、あ、う、うん。理子さんからのご質問です、あざます」
Q.幽霊君とカゲに質問です! 二人は休みの日にはどんなデートをしていますか?
また、できれば幽霊君に貴重なデレをあげてください、カゲ!
「あ、あのさあ……これさあ……」
「デートとかしたことねえな」
「あー、うん……。なんやかんや影浦が忙しいんで、どっか行ったりとかはない、です。つか人込み行くといろいろ……そのー、感情?が面倒らしく、ほぼ家にいるます」
「大抵はこいつの家行って、ぐだぐだ寝たり漫画読んだりしてる。一回俺の家連れて行こうとしたんだが、俺が案内するより先に道知ってやがったから、以来呼んでねえ」
「さすがに自分でもキモかったかなと反省はしている。後悔はしていない」
「ちったぁ悔いろボケナス。てめーやりすぎたらマジで通報するかんな」
「ひどい。いや、てか、それより、あの」
「まあ後は学校だな。なんか草がワサワサ生えてるとこ。デートらしいデートってのはしたことねえかもな」
「ビオトープね。うんまあ、お互いどこどこ行きたいっていうのないんで……。強いて言えば景色がきれいなとこ行きたいけど、影浦いればそれで補正かかるからどこでもきれいに見えるマジック」
「…………」
「その『こいつもう手遅れなんだな』っていう、憐みの視線やめて。泣くから。……うん、あの、あと……」
「んだよ、歯切れわりいな」
「……あのー、デレ、の件、なんですが……。先ほどから、影浦さん、ずっと俺の手を握ってらっしゃいます……」
「お前手汗やべえな」
「言わんでください。……うん、あのー……幸せです」
「やっすいな幸せ。とりあえず質問はこんなもんか。んじゃとっとと行くぞ」
「え!? どこに!?」
「俺の家」
「これはなんというフラグ……理子さんあざっした! 男になってきます!」
理子様、ご質問ありがとうございました!