『えー、迅には帰ってもらいました。お騒がせしました。……補足すると、トリガー起動してまで僕を連れて行こうとしたので、緊急脱出してもらいました』
「風刃持ってなくて助かったな。
……あと花江、恋人相手にも容赦ないな。頭撃ち抜くって」
『でも供給機関撃ったのは林さんですよね?』
「ボーダーしかわからない会話しないでくださいよ。それより質問来てますよ」
「あ、悪い。えーと……お、通行人Bさん。いつもありがたいな。質問の内容はと」
Q.結婚式はいつですか? どこでするんですか? 国内だったらどこでも行きます! 皆大好きです!
「全員あてかな? 結婚式はいつだって聞かれてるぞ、千歳」
「なんでいの一番に俺に聞くんですか。質問の内容おかしいだろ。胃薬残量ゼロなんだよ勘弁しろよ」
『そうですよ林さん。聞くなら式の日取りより、和装か洋装かでしょ』
「花江さんのそのかぶせボケも腹立つんだけど。つーか俺まだ17だからそもそもが結婚できないですよ」
「いいから答えとけ」
「……できたら洋装で、……式場の内装と、ブーケは俺がやりたいなとか……あーもうニヤニヤすんなよマジで腹立つな!」
『はいはーい。洋装ってことは、出水くんがドレスになるのかな。……あ、でも両方タキシードで、白黒でそろえてもいいね』
「話を飛躍させんな! なんで出水だよ! てか、あんたたちはどうなんですか!」
『僕は人前式がいいかなー。玉狛の人たちに祝ってもらえたら、それで幸せ。プラスで太刀川さんと柚宇ちゃんと出水くん。
で、迅にどうにかして白無垢を着せてみる。……どうしたの千歳くん』
「なんか……すごくあっさり答えられて……逆にこっちが照れる……」
『うぶだなー。林さんはどうですか?』
「俺? ……どうだろう、犬飼が挙げたいなら考えるけど、俺自身は別にいらないかな。
挙げたいって言われたら、国外で親しい人間だけ呼んで挙げる」
『国外なんですか?』
「犬飼が飛行機好きだからな」
『なるほど。……あれ、千歳くんが死んでる』
「…………」
「なんだ、胃薬の過剰摂取か?」
『……顔が赤いので照れてるだけじゃないですかね?』
「やめてください覗きこむの」
「……なるほど。
出水に脳内でドレスを着せてみたら意外と似合ってて、それを可愛いだとか綺麗だとか思ってしまった自分を気色悪く思う気持ちと、そんなことを想像してしまった自分をいぶかしく思う気持ちとがせめぎあっていると見た」
「顔だけじゃ飽き足らず心まで覗くかあんたは!」
『あ、否定はしないんだ?』
「……顔洗ってきます」
「逃げたな」
『逃げましたね。初々しい。通行人Bさん、いかがでしょうか。……なんか結婚式の予定っていうより、理想の結婚式、みたいになっちゃったかな?』
「千歳をからかって遊ぶだけみたいにもなってるな。あいつ面白い」
『僕たち基本的にそこまで性格よくもないですからねー。千歳くんはまだまだ素直でかわいいですね。
それでは、質問ありがとうございました、これからもよろしくお願いします!』
「ありがとうございました」
通行人B様、ご質問ありがとうございました!
いつもありがとうございます、これからもよろしくお願いします!