「胃薬が尽きた。もぅマヂ無理、家帰ろ」
『諦めてねー。はい、お次の質問は高月様からです、ありがとうございます。
えーと、質問は……』
Q.犬飼主と犬飼に質問です。お互いの精神が入れ替わったらどうしますか? 入れ替わってやってみたいこと等ありますか?
これからも頑張ってください!
『応援の言葉ありがとうございます! これからもよろしくお願いしますね!』
「えーと、そういうわけなんで、今この場に犬飼って人がいます。林さんの膝の上に」
「どうも、膝に犬飼乗せてプルってる林です。ご質問ありがとうございます。
犬飼、そろそろ降りろ」
「えー、だって見えないんだからいいでしょ。最近林さんいろいろ忙しいしさー、せっかく一緒に過ごせるなら目一杯くっつこうと思って」
「だったらせめて隣に座れ。重い」
「はーい。ちぇっ」
「初っ端から鬱陶しいんですけど。……で、入れ替わったらどうしますか?」
「んー、俺は色々やりたいな。例えば服とか。林さんが絶対着なさそうな服とか着て自撮りする! いっつも無地のYシャツとかハイネックとかにジーンズだし、柄物着てみたいかも。
あとは表情筋鍛える、二宮さんにドッキリ仕掛ける……うん、超面白そう」
「やめろ。……俺が犬飼になったら、なあ……。ひとまずは焦るだろうけど、まあ別に、これといってやりたいことも……あ」
「なになに?」
「勉強する」
「えっ」
「勉強する」
『犬飼くんって、そんなに成績悪いの? たまに二宮さんが頭抱えてるのは見るけど……』
「あ、えー……まあ、平均よりちょっと下? くらいかな……?」
「そういえばこの前、生徒指導室に入ってましたけど、まさか成績関連で呼び出されてたんですか?」
「いやほんと、そんなヤバくはないから! 林さんと付き合いだしてから成績上がったし、ていうかアレ見られてたの!?」
「精神だけが入れ替わって脳がそのままなら、俺が全力で勉強すれば多少は改善されるだろうし……ダメなら手が覚えるまで書くし……うん、勉強する。勉強しておく」
「う……さすがに人に勉強させておいて遊ぶっていうのもな……。しょうがないから俺も一緒に勉強する……」
『その光景考えてみると地味だなあ。二宮さんにドッキリ仕掛けないんですか?』
「あ、ドッキリは俺もやりたいな」
『じゃあ僕どっきり大成功のフリップ持ってスタンバイしてますね!』
「花江さん、それやりたいだけですよね?」
「あ、あと俺もう一つやりたいことある」
「なんだ?」
「入れ替わった状態でセッ」
『高月さん、ご質問ありがとうございました! 入れ替わった状態で二宮さんにドッキリを仕掛けたいということで一致したようです!』
「ありがとうございました。……おい犬飼、話があるからちょっとこっちに来い」
「なになに?」
高月様、ご質問ありがとうございました!