「米屋。……俺さ、この部分って結構力入れて教えたんだ」
「……ハイ」
「お前もその後の練習問題は解けてたし、こりゃ点数稼げるなって、思った」
「……ハイ」


「前日ゲームで徹夜してテスト最中に寝るってお前はバカか――――!」
「うわああマジでごめん!!」

米屋の胸ぐらをつかんで思い切り揺さぶる。

俺も自分のテスト勉強をしたかったというのに、米屋がこのままじゃ留年、と泣きついてきたから、わざわざ時間を割いて教えたのに。

それなのにこの大馬鹿者は、教えてもらった安心感でうっかりゲームで徹夜し、あろうことか、教えた科目で居眠りしやがった。
当然成績は最悪だ。

「で、でもホラ、追試受ければオッケーって先生言ってたじゃん?」
「追試受ければって、追試ありきで考えんなよ! このバカ! アホ!」
「すいまっせんした!」

潔く土下座をする米屋。
自分でもやっちまったと思っているようだが、俺の怒りは収まらない。別に自分の成績が落ちようが、普段の成績がいいから特に気にもならない。

だけど追試の日程は、この日は出かけようと二人で決めていた日にモロかぶりなのだ。

彼は滅多に時間をとれないからこっそり楽しみにしていたのに、この仕打ちである。

「知らんしもう! 追試ループにでも陥ってろバーカ!」
「悪かったって……。なあ、機嫌直せよー」
「うっせ滅べ!」
「なー」

そっぽを向いた俺にしなだれかかる米屋。
ぐにぐにと頬をつつかれたり、笑わせようとしているのか脇をくすぐってみたり。コイツ全然反省してない気がする。

いらっときたので、米屋の襟首をつかんで引き倒す。
膝の上にうつぶせで寝るような形になって、彼はきょとんとした顔で俺を見上げた。

「な、何? この状況」
「ぜんっぜん反省してないから、お仕置きでもしようかと」
「はっ!?」

片腕の袖をまくり上げ、準備完了。

まだ状況が飲みこめていない米屋の尻に平手を食らわせた。

「い゙っ!!」

膝の上の体がこわばる。今のはいい当たりだった。
続けて2回、3回と振り下ろすと、ようやく彼は我に返って暴れ出した。

「ちょっ、まっ! さすがにこの年でこれはっ!」
「いいじゃん、痛いの好きだろ」
「と、思うじゃん!? 別に好きじゃねーか、らあ゙っ!」
「一回恥ずかしい思いしとけば、もう二度とやんないだろうし」
「あーもう、くっそ……!」

顔を押さえて、耐える体制になったのを確認し、再び手を振り下ろす。
観念したようなので、先ほどよりは少し弱めにして。


べちん、べちん、と規則的な音が響く中で、だんだん米屋の様子が変わってきた。
顔を押さえているのは違いないのだけど、手の隙間から、わずかに声が聞こえてくる。

「ん、ッあ」
「……米屋さー」
「なん、っだよ」
「もしかして気持ちい?」

言いながら、強めに尻を叩く。途端、米屋の口から甘い声が漏れた。セックスしているときのような艶のある声は、明らかに興奮していた。

「んな、わけ、ッ、」

さっきから、膝に固いものが押し付けられていたから、まさかとは思っていたが。

「叩かれて興奮すんの」

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -