日常4
突然だけど蛇尾さんの話をしよう。
彼女はかっちゃんのことが嫌いみたいだ。
「みどりや、おはよう。」
「おっおはよう蛇尾さん!」
「うむ。」
僕と喋っている時はなんだかふわふわしている。
「邪魔だ、どけクソナード。」
それがかっちゃんが入ると、
「だまれ、ばくごう。今は私がみどりやと喋ってる」
「あ゛ぁ゛?なんだ、この糞アマ!!」
「うるさい、もっとしずかに喋れ。」
彼らは顔を合わせる度に喧嘩をする。
彼女はかっちゃんと同じくらい口が悪い。
違う点といえば声のボリュームの差くらいだ。
「病弱女」
「腰パン野郎」
「尻軽」
「短足」
「短足じゃねー!!!」
「私だって尻軽じゃないし、うるさい。」
悪口の言い合いだけならともかく、
最終的に大体僕が巻き込まれる。
「ね、みどりや。
私尻軽じゃないよね?」
「そうだねー……。」
「は?その面で男を入れ食いしてんだろ?
デク、本当のことを言えよ、なあ?」
「みどりや、何も言うな。
ばくごうは地に這いつくばって謝っても許さない。」
「はっ、誰が謝るか!」
「むかつく〜!」
ああ…早くチャイム鳴らないかな。
かっちゃんは蛇尾さんと僕が喋ると怒る。
「あ゛ぁ゛?デクのくせに何してたんだ、あ゛?」
「別になにも……」
「蛇尾が珍しく友だちだ〜!!って言ってたけど
なんだ?お前ら、付き合ってんの?」
取り巻きも混ざるので正直めんどくさい。
「んなわけねー、
こんなクソナードに彼女ができるかよ。」
そんなことを言っているが、
かっちゃんはそわそわしている。
幼なじみの僕だからわかるのかもしれないが。
「本当につきあってないから…」
「ほれみろ、
クソナードなんかにできるわけがねぇ。」
……かっちゃんがそわそわしている
一つの可能性としてあるのは、
「ねえ、かっちゃん。」
「あ゛?」
「かっちゃんって蛇尾さんのこと好きなの?」
「ぶっ」
取り巻きの二人が吹き出した。
そして肝心のかっちゃんはぽけっとしていた。
かっちゃんが好意を抱いてるのであれば
いつも以上に突っかかってくるのにも納得する。
「ふっざけんな!!このクソナード!!!」
BOOOOM!!
「なんで俺があのヘビ女を!!!」
そう叫んでいるかっちゃんの顔は赤い。
蛇尾さんは周りから遠ざけられているが、
見た目は正統派美人だ。
結構告白されると本人が言っていた。
大体誰かわからない人がほとんどだと。
そんな、誰かわからないような人も
容姿で落とすような子だから
かっちゃんが好きになっても
おかしくはないのだろう、きっと。
かっちゃんも人の子なんだなぁ…。
「ご、ごめんね、かっちゃん。
僕の勘違いだったみたい……。」
「わかればいいんだよ。」
でも小学生みたいに、好きな子に意地悪して僕を巻き込むのはやめてほしいな。
2017/04/11