日常6


「ばーん!」

学校に登校して飯田くんと麗日さんと話をしていたら、
突然扉が勢いよく開いた。
そこには満足そうにしている蛇尾さんがいた。

「みどりや、おはよう〜」
「お、おはよう。」

朝からどうしたんだろう…
クラスのみんなの視線が集まる。
蛇尾さんは楽しそうにスキップしながら教室に入ってきた。
峰田くん、すごいスカート見てるなぁ…きっとめくれないよ……

「あー!!昨日の爆豪の友達!!」
「えっ!!友達!!」
「ばくごうもおはよう。」
「ちっ…。」

蛇尾さんが挨拶してる…!
かっちゃん…!!ついに何か進展したんだね!!
あれ、蛇尾さんがすごい不満そうな顔してる。

「…おまえ、挨拶。」
「あ゛あ?」
「やっぱり挨拶できないじゃん。」
「は、そんぐらいできるわ。はよ。」
「はよう。」

んん?喧嘩しているのかわからないような会話してるな…。
でも、前より会話話している…挨拶してるし…。

「そうそう、みどりやに用があっておじゃましてます。」
「なにかあったの?」
「なにもないけど、いや、なにかある!
見て!この制服可愛くない?えへへ〜」

得意げにくるくる回って制服を見せてくる蛇尾さん。
感想を言ってほしいのかな…。
横にいるかっちゃんが怖い、どうしよう…。

「かわいいぜ!」
「誰。」

上鳴くん!!
逃げて!かっちゃんが!!

「俺は上鳴電気、よろしく!」
「お、おお〜…よろしくおねがいします。
イケメンにほめられると中々うれしいな。」
「俺がイケメン?マジ?今度どっか飯食べに行かね?」
「いや。」
「そっか……。」

速攻でフラレてる…。
元気出して、上鳴くん。
蛇尾さんはそれが普通なんだ。
今もにこにこしてるし……。

「制服いいと思うよ…ひい!!」
「そう?ありがとう!」

何も言わないのはかわいそうだと思ったから感想言ったけどかっちゃん怖い!
無言で睨まないで!
かっちゃんも言えばいいじゃないか…。

「あ、そういえばさ、ばくごう私のことすきなの?」
「ぶっ!!!」
「え!!!」
「やっぱりそういう関係!?」

どういうこと!?
蛇尾さん、爆弾持ち込むのやめて。

「は、は?お前何言ってんだ。」
「この前きらいじゃないって言ってたから、反対にすきなのかなって。」
「この前……?…前に言ってたやつか。
好きと嫌いが対の関係だから俺がてめぇのことすきだって言いてぇのか?」
「うん。」
「好きの反対は無関心だからちげぇ。」
「へ〜…じゃあ、きらいの反対は?」
「無関心。」
「なら、あれなのか。
すきときらいは関心のいちぶなんだな。また一つ、知識がふえた!」

蛇尾さん、ものすごく満足そうだ…。
かっちゃんもちゃんと返答してるし仲良くなったんだね!

「……お前、こんなの聞いてどうすんだよ。」
「今後の考えかたのいちぶに反映させるの。」
「くだらねぇ……。」
「ちなみに出典は?」
「俺。」
「ばくごうが出典か……。」

会話が、会話が続いてる…!!
もう僕が怒鳴られる心配もなさそうだ!!

「………俺のことはどうなんだよ。」

かっちゃん…!!やっぱり…そうなんだね!!
やっぱり…!!!!

「ばくごうのこと?」
「好きとか嫌いとか…」
「あぁ、そういう。うるさくなければすきだよ。」
「おっ…おう……。」

珍しくかっちゃんが狼狽えてる…。
幼馴染も人だったようで嬉しいよ。

「友だちだし!」
「るせぇ!!小学生レベルの頭脳!!」
「ひ、ひどい!みどりや〜!やっぱりこいつ私のこときらいだよ〜!」

え、え〜…なんで僕にふってくるのさ…。
蛇尾さんにも問題があるから…、
かっちゃんも睨まないで。
助けて、飯田くん、麗日さん…。

「おい、デク!!!」
「うるさい…これだからばくごうは……」

やれやれ、と言った表情だ。
僕もやれやれ…といった心情だ。
本当に、やれやれだ……。

「あ゛あ゛ん??」
「はぁ〜……。」
「あ、そろそろチャイム鳴りそう。
そうだ、ヒーロー科の皆さん。サポート科の蛇尾をどうぞ、ご贔屓に〜!
じゃあ、ばいばい〜」

教卓の前で言いたいことを言って教室から出て行った蛇尾さん。
あいかわらずマイペースだなぁ…。
クラスが一気にどよめき始める。
この空気のまま授業始めるのか。

「いったい彼女はなんだったんだ…?」
「蛇尾さんはいつもあんな感じだよ…。」
「台風みたいやったね。」
「悪い子じゃないんだけどね…。」

ただちょっと人の話を聞いていないというか…なんというか…

「なー!!爆豪―!!本当に付き合ってねーの??」
「何回言わせんだ!!ねーわボケェ!!!!」


2017/04/19


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