ドアを開けたら


「森村!!バレンタインありがとうな!!これ俺からのお返しだ!!受け取ってくれ!!」
「く、久坂君....。ありがとう....。」
好葉動物系のお菓子が多くて嬉しそうだ。
....好葉いいなーすごいお菓子の量だな、少しわけてくれないかな。
食堂で行われている久坂の猛アピール。
ハッここで久坂にここ前の貸し使えば少しぐらいくれるかな....。
「久坂、この前バレンタインの時さ好葉が作って久坂にあげるようにフォローしたんだけど何かもらえないかなーとか要は私にも少しお菓子ちょうだい。」
と、小声で好葉にお菓子を貰ってもらえて妙にハイテンションな久坂に言う。
「....森村にあげてないから今度な。」
ちっ....今食べたいのに。
「楽しみにしてる....質より量で。」
量だ....お腹いっぱい食べたい。
あ、私瞬木にしか渡してないから他の人から貰えない....。そんなことなら律儀そうな神童にあげとけばよかった。いや、剣城でもよかったかな。キャプテンは....葵がいるし....ああ皆お菓子貰ってる!!いいな!!

「ミョウジさん、これあげるよ」
皆帆がクッキーを差し出している。
「....変なもの入ってない?」
私....皆帆に何もあげてないよね、寧ろ罵った覚えしかないんだけどな。
「いつも面白いものを見せてもらってるからね、その感謝とお詫びだよ。」
お詫びされる覚えもないし、
「....面白いこと?」
私何か皆帆に見せたっけ....?
「ほら....瞬木君の所で」
ドアすごかったよ!!と少し興奮気味に言う皆帆。
あの時か....!!見られてたのか....
自分でも顔に熱が集まるのがわかった。
「怒らないでよ、ほらその代わりにクッキーあげるからさ?」
お詫びってそう言う事か....。怒るってわかっててクッキー用意したなこいつ。
「....クッキーちょうだい。」
腹に背はかれられないもん、私だって何か食べたい!!
「ミョウジさん....のってくれると思ってたけど知らない人にお菓子出されてもついてったらダメだよ。」
「それくらいわかってるよ....なんだ私のこと小学生だと思ってるの?」
昔貰ってお腹壊したからもう貰わないって決めてるから大丈夫だし。と皆帆に言ったら
「既に前科があった....君の食欲はすごいね....。」
と呆れられた。悪かったな....ご飯食べたいもん。
「ミョウジさんって瞬木君のこと待ってるの?」
すごい唐突だな、
「....皆帆仮に瞬木がここに来たとして何か貰えると思う?」
僕は貰える方と思うなー
なんでそう思うんだろ....だって瞬木だよ?期待できないよな....あれ私なんでここで皆がチョコ渡してるの見てるんだろお腹空くだけだよね。
「皆帆、私部屋に戻るわーお腹空くだけだから。クッキーありがたく食べさせてもらうね。」
「そうかい、結構自信作だから美味しいと思うよ。」
じゃあねと皆帆に手をふり部屋に戻った。
そのあと皆帆と真名部が
「彼女は瞬木君が来るのを期待してたからここにいたんだと僕は思うな。」
「僕もその可能性が高いと思います。」
とか喋ってたとか知らない。

私の部屋は食堂からすぐ近くにある。
朝は早く食べに行けるから部屋がこの場所でよかった。
ドアを開けて布団に転がった。
無性に動きたいな....そう思い私は布団の上をゴロゴロしていた。
私....何してるんだろう。
あ、そろそろお風呂入りたいな....お風呂行こ。
布団の上から降りてドアを開けようとした瞬間ドアから ドンドンドンドンドンドンッ
と聞こえた。
え、何新手のイジメ?開けない方がいいのかな、開けたらおばけーみたいなやつかなヤダ怖い、居留守使っちゃうかな?
と、一人ドアの前で格闘していたら勝手にドアが開いた。
するとドアの前に瞬木がいた。
「よお....居るのになんですぐ開けないんだよ」
怒ってる....よなー
とりあえず話をそらせばいいかな....。
「瞬木、私に何かよう?」
「....ポケットから飴出てきたからお前にやろうと思って、どうせ腹減ってるんだろ。」

なんでわかった....。
「ほらよ」
そう私のおでこに飴を押しつける瞬木。
別にこんなやりとりも好きだけど....
「地味に痛いからやめてよ!!」
瞬木の手をはらい飴をてにとった。
レモン味か....中々いいな。
どんな感じの味かな、貰ったばっかだけど食べちゃえ!
「お前....もう食べるのかよ。」
「うん。」
この飴美味しいな。
「瞬木この飴どこで売ってる?」
「駄菓子屋だ、今度教えてやるよ。」
「ホントに!!嘘じゃないよね!!忘れんなよ!!」
いいな....!!駄菓子屋、近所にないんだよ!!
「お前本当に食い意地すごいよな....今日くらい少し考えれば何の日かわかんだろ、馬鹿。」
「....は?」
何の日....?今日はホワイトデーでしょ?私が食べ物関連の日を忘れるわけない。他に....何かあるかな?
いや、皆知ってそうなのはホワイトデーくらいなはず....
「ホワイトデー....であってる?」
「知ってるなら意味くらいわかるんだろ?」
「?意味って....何が?あ、瞬木この飴バレンタインのお返しとか?」
「....そうだよ........先に聞くけどお前ホワイトデーの意味知ってる?」
「バレンタインにお菓子を貰った男子がくれた女子にお菓子を渡す日。」
私のお母さんがこう言ってたし....絶対あってる!!
「間違ってねーけど、女子なら普通もう一つ気にするだろ....。」
「気にするって何を気にするの。」
「....俺に言わせる気かよ。」
随分悩んでる....そんなに瞬木を悩ませる問題ってなんだろ....ホワイトデーだし....告白の返事とかベタなのとか?....!?いや、私瞬木に告白してないからそれはない。あ、でも「本当に俺のこと好きだな」って言われたあと滅茶苦茶否定したのが逆に怪しかったとか?その時の瞬木かっこよかった。思い出せば、私瞬木クッキー押しつけてすぐさくら達の所に戻るって走ってったけど用事終わったから戻るとか言っちゃったけど私瞬木にクッキー渡すだけが用事だったみたいじゃない?あれ、これ地味に私告白まがいなことやってる?恥ずかしい....。
瞬木頭いいからわかりそうだし....え、じゃあ今から私告白してないけど返事もらうのか....?いやでもそんなことないよね、私の自意識過剰!!
「はあ....一回しか言わないからな。」
瞬木が決心したような表情をして、
「飴は....甘さがあって長い間口に残るだろ?俺はお前とそんな長い付き合いがしたい。」
え、ちょっとそれって....
「俺はお前が好きだ。」
呼吸をしているか忘れるくらい静かだった。
「で、返事は?」
「....私も好き。」





はい、リア充になりました。
花より団子な主人公ちゃん。
皆帆君が主人公ちゃんのこと好きなの?ってぐらい絡むけどその予定はないです。
ホワイトデーお返しで飴をあげると好きです。と言う意味らしいです。飴が口の中に残るのが長いみたいに長く愛すみたいな感じらしいです。
ちなみにクッキーは友達のままでいよう。サクッと軽い感じで。マシュマロは嫌いと言う意味らしく食べたらすぐ消えるからそんな意味があるらしいです。
まあ、ホワイトデーにありがちなネタですよね、はい。



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