不器用少女



「ん....。」
そうタオルを差し出すミョウジ。
「へぇ....お前がタオルを持ってくるなんてな、どういう風の吹き回しだ。」
「別に気が向いただけよ。」
「ふーん....何、俺と喋りたかったかよ?」
「な、なに言ってるのよ、そんな訳ないでしょ!!」
即答する彼女。
顔を真っ赤にしてる人に言われても説得力ねーけどな。

「そうか、じゃ俺キャプテンの所行くから。」
「え、ちょっ、ちょっと待って....!!」
そう言うと俺のユニフォームを思いっきり引っ張ってきやがった。
止めるとは思ったが、引っ張ってくるとは....。

「てめぇ....いい度胸してるな....。」
「あ....だ、だって....貴方が話の途中にどこか行くから....。」
「俺と喋りたかったわけじゃないんだろ?」
「........えっと、実は聞いて欲しいことがあって。」
「ふーん....言ってみろよ。」
「....!!聞いてくれるの?」
「聞くだけだ。」
彼女は目を開き輝かせた。
「さっき新しいDF技出来るようになったの!!だから、相手をして欲しくて....。」
「で、FWの俺に喋りかけてきたと。」
首を大きく縦にふるミョウジ....少し面白い。
いや、馬鹿っぽいの間違いか。
「FWなら剣城と市川もいるだろ。」
「確かに剣城君も市川君もFWだけど....。」
「練習なら俺以外でもできるはずだけど?」
「....貴方がいいの。」
はぁ....こいつ素で言ってんのか?
でもまぁ....
「へぇ....貴方がいいの....ねぇ、どういう意味かな?」
「どういう意味も何も........!!別になんでもないわ!!」
「ほんとに?」
「....別になんでもないって言ってるでしょ!!いいわ、貴方に頼んだ私が馬鹿だった!!さくら!!ちょっと練習付き合って!!」
「いいわよー」
「瞬木!!覚えてなさい!今度貴方のボールとってやるわ!!」
「できるもんならやってみやがれ。まぁ、無理だろうけどな。」
「っ....!!」
ベッーと舌を出したあと野崎の方に走っていった。


本当にあいつはからかいがいがある。
毎回煽る度に顔真っ赤にさせるし、
ふとさっきの事を思い出す。

「な、なに言ってるのよ....」

「相手して欲しくて....」
そして、


「貴方がいいの....か」
「うるせーんだよ、馬鹿」


俺もだ




「瞬木君、そこでうずくまって何してるんだい?」
「黙れ皆帆。」



主人公ちゃんを煽るのが楽しい瞬木君

BacK∴GO

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -