03 | ナノ



Frm:食蜂 操祈
Sub:

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くょえは16ず30へあ00ぶょえぬ1Gはきへぉぬすょえざえの☆


-END-



え、ナニコレ。
まずメールを開いた感想はこれだった。新手の出会い系サイトからの迷惑メールかと思ったが、送信主は食蜂操祈。つまり一時代昔のアイドルもどきの金髪の先輩だ。
それなら嫌がらせか。そう思ってメールを睨み付けていたら、

「あ」

解けた、というか読めた。というわけで。

「ごめんねぇ御坂さん。私メール下手でぇ」
「下手っていうレベルじゃないわよね!?一文字ならまだしも全部一個ずつズレてんじゃない!どうなってんのあんたのアタマ!」
「私は御坂さんの頭の方が気になるわぁ」

能力による心理操作を弾いてアイスティーを口に含んだ。彼女とは死の果てまでも会話が成立しそうにない。そんな彼女はフルートのケース、そして隣に置いてあるのはテューバのケース。よくイメージに合った楽器ケースを持ってくるものだ。

「それ、麦野の?」
「そうだけど?なに、私の愛棒見たい?」
「……遠慮しとくわ」

これで中身が楽器だったら吹奏楽でカルテットやら出来て、その方が可愛いし淑やかさだってあるのに。
髪をくるくると指に巻きつけながら、目の前で甘ったるそうなミルクティーを飲む第五位がにんまりと笑う。

「ねーえ、御坂さぁん」
「その語尾伸ばすのやめなさい」
「やぁだ、第一位と同じこと言うのねぇ。ねえ、御坂さんって好きな殿方いらっしゃるのぉ?」
「ぶっ!!」

盛大にアイスティーを吹いてしまった。
彼女達は勿体ない、などと無責任極まりない発言をしているが、そもそもどうしてそう話が飛躍したのか分からない。

「えー恋バナよぉ?」
「女子会って言ったら話すこと知れてるでしょ。んで?吐きなさいよ」

吐けって、ここは所轄か。もはや恋バナじゃなくて犯罪者への誘導尋問なわけ?なんて突っ込んでいたら話が進まない。

「……別にいないわよ」
「嘘でしょぉ!」
「嘘じゃないってば!」
「へぇ、ここまで吐かないってことは彼氏がよっぽど大切なのかしら。第五位、お望み通り彼氏の手足もいで来ない?」
「その顔で物騒なこと言うな!ていうか本当にいないから!」

このままだと過去一週間、私に仰々しく挨拶をした男から偶然ぶつかった男まで全員を潰しかねない。そう思った私はつい、声を荒げて叫んでいた。

「だからっ…今は、あんた達といるのが楽しいから恋人なんていらないのよ!!」

ハッと我に返れば麦野も食蜂も目を丸くしていて、居心地が悪くなって椅子にどかりと座り直した。羞恥心から喉が渇いて堪らないため、氷が溶けた水と割ったアイスティーをズズ、と口に含む。ああ、やってしまった。私のバカ。

「御坂さん……」
「……なによ」
「御坂さんがデレ期よぉ!かわいいわぁ!」
「ちょっ、」

胸が顔に当たってるんですけど!埋めるだけの大きさがあって羨ましいは羨ましいけど、ラッキーではない。残念ながら私は女だ。そしてテーブルの上にはいつの間にか、ケーキがズラリと並んでいた。定番のショートケーキからチョコレート、モンブラン、タルト、チーズ、…以下省略。

「今日は私のおごりだから好きなだけ食べなさい」
「え、本当!?」
「そのかわり、これからもレベル5の一員であること。いいわね」
「当たり前じゃない」

ちょっと口が悪くて荒くれ者でひねくれ者で自由奔放な人達ばっかりで振り回されるけれど、そんな大学生活も悪くないのかもしれない。何か特別なことをしなくても、それだけで。ふと、そんなことを思った。
それからあともう一つ。

「そういえば、第七位ってどんな人?」




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110820

女子トーク=恋バナ!と、引き続き後輩にベタぼれの先輩の方々。レベル5のみなさんは個性的過ぎて御坂さん同様お友達がいません。御坂さんを通じて仲良くするレベル5が可愛い。次はナンバーセブンさん!
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