Nice to meet you!




その少年は派手な格好をしていた。ド派手な金髪にサングラス。制服の中にTシャツを着込む学生はいてもアロハシャツを着込む学生はほぼ皆無だ。
御坂の心の声曰わく「チャラけた不良」は容姿に似合わず、おかしな雰囲気を纏っていた。

「……アンタ、何者なの」

少年は真摯な表情のまま視線を向けた。見透かされているようなそれだと御坂は思った。華やいだ専門店街でその二人だけが異質だった。
すると彼はそれまでの表情を崩してにやりと笑う。

「ははあ、キミがウワサの超電磁砲か。お会いできて光栄ですたい」
「はあ?」
「いや、フラグ立ちまくりのカミやんのカノジョさんじゃないのかにゃー?」
「ばっ…!!ち、違うわよ!ていうか私が聞いてんのよ!質問に答えなさい!」

御坂の声に呼応してバチリと紫電が舞う。
幾度も戦闘に立っている彼女の第六感が告げる。油断するな、と。
そうして目の前の彼にだけ警戒心を注いでいた為に、一緒に買い物に来ていた上条の呼ぶ声に気付けなかった。

「御坂?…と土御門?お前ら知り合いか?」
「んなわけないでしょうが!」
「カミやんも冷たいにゃー。こんなカワイイ女の子を紹介してくれないとは男の風下にも置けないぜい」

御坂の方は既に堪忍袋が切れる前のカウントダウンが始まりつつあるようだし、土御門の方は御坂を煽っているような節さえ見える。上条にとっては、あまりよろしくない状況だった。
なぜ買い物に来ただけで付き添ってもらっただけでこうなるのか。不幸だ。

「あー…こっちは御坂美琴。んで、こいつは俺の同級生の土御門」

初対面にしてはかなりサバイバルな雰囲気だとは思ったが、土御門も悪いやつではないし、などと思っていた上条の予想は大きく外れた。朝の天気予報が快晴だったのに、バケツをひっくり返したような雨が降ってきた、それに似ていた。
彼は御坂に近付くと、あろうことか彼女の頬に唇を寄せていたのだ。もちろん、御坂はぴくりとも動けずにいた。

「英国紳士の挨拶ってやつですたい。ってことでよろしく、美琴ちゃん」

その英国紳士の手によってカウントダウンが0になったことは言うまでもないことであった。



(お前なにやってんだよ…。御坂怒らせたら、ああなるって考えろよ)
(いやいや、美琴ちゃんが予想以上に可愛くてだにゃー。カミやんにはちゅーできないだろ?)
(俺以外にもしなくていいから!ていうか英国紳士ってステイル含め何なんですか!?いい加減すぎやしませんか!)



end.
----------------
110520

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -