◎欠陥電磁


※女の子×女の子注意









「お姉様に一つお願いしたいことがあるのですが、とミサカは頭を下げます」

可愛い妹にそう言われて断れる無慈悲な姉がいるだろうか。私はろくに内容も聞かずに二つ返事で引き受けた。彼女達の数少ないわがままで私にできることなら、何でも叶えてあげたかった――、けれど。

「んっ」

変な甘ったるい声が無意識に漏れて顔に熱が集まる。10032号が少しだけ微笑んでいるように見えるのは私がオカシくなってしまったから?
分からない、けど、私はどうなってしまうの。

「お姉さま」
「ひゃ、あ、耳元でしゃべっちゃ、」
「可愛いですよ、とミサカは更にお姉様を追い詰めてみます、が必要ないようですね」
「だってっ!こんなの、卑怯、よ!」

この子が「胸を大きくしたい」と言うから。誰かから聞いたという、その方法には難があるような気がしたけれど、最後まで付き合ってやるつもりだった。
それから要領が分からないのでまずお姉さまから、と言われて恥ずかしさに負けそうになりながら自らシャツを捲って下着を晒して。よく考えてみれば痴女同然だ。
下着の下に潜り込んだ、冷たい手が肌に触れる心地よさに眩暈がする。

「揉めば大きくなる、なんて都市伝説に騙される人がまだ居たのですね、とミサカは呆れながらもお姉様に触れる口実ができたので良しとしましょう。……お姉様は、まだミサカが嫌いですか、とミサカは尋ねます」
「っ、きらい、なわけないでしょ」
「ミサカは好きです、いえ、大好きです、とミサカは胸の内を語ります」
「あ、」

もう頭が沸騰して何も考えられない。
女の子同士、とかしかもその女の子が自分のクローンだとか、こんな他人の家で、なんて建て前はどうでも良くなってしまった。この子達が幸せなら、私はそれ以外何も要らない。この感情は、恋と呼んでも差し支えはないのではないか。
――と思ったとき、がちゃりと扉の開く音を遠くで聞いた。

「……何か御用ですか、とミサカは契約違反の貴方を睨み付けます」
「え、な、まさか…」

ドアノブを捻ったまま立ち尽くす白い髪、赤い瞳のそいつは紛れもなく、「あいつ」であって。そして私の状況と言えば、半分裸同然なわけで。

「いやあああああっ!!」









(部屋を一日貸してくれると言ったのはあなたでしょう、とミサカは一方通行を問い詰めます)
(ケータイ忘れたンだよ。つゥか他人様の部屋ラブホ代わりに使うたァどンな神経してンだオマエ)
(学園都市の都市計画は厳しく規制されてますから、とミサカは上層部に不満を抱きます。これからは一方通行も一緒にどうですか、とミサカは、)
(やめてぇええぇええ!!)
(、とのことですので、お姉様はつまりミサカにしか触れられたくない、とミサカは解釈します)
(………はぁ)
(オネエサマも大変ですねェ)










end.







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