◎みこゆり







「へェ」
「なによ、何か文句ある!?」
「べっつにィ」

にたにたと嫌みったらしく笑う目の前の男…もとい女を睨む。何なんだこの状況は。
わざわざ内緒にして、こっそり来たつもりなのに何でここにいるのよ。まさか一方通行に加えてAIM追跡能力なんか手に入れちゃったわけ?

「ンなわけねェだろ。まァこういうコトは本人よりよォく知ってますけどォ?」
「なななにを…っていうか!そこ閉めなさいよ!外から見えんでしょうが!」
「あァ、悪ィな」

……なんか嫌な予感。この女が素直に謝るときはロクなことを考えていないアンド、ロクなことが待っていない。

ふと目の前にある鏡を見ると、私以外の人間が映る。抜群のプロポーションというわけじゃないけど、手足は細くて長いし何より顔立ちが綺麗だ。
女のときぐらい愛想良くしたら可愛いだろうに、ドぎつい視線が男女両性をビビらせている。なんてもったいない。

――と、油断していたのがいけなかった。背後に突然、重力が増して何かがのしかかってくる。

「美琴ちゃンよォ、」
「なに?って、ちょっ…!」
「まともに測定もできないンですかァ?これは間違いなくAじゃねェだろ」
「ど、こ触って、」
「第一位サマが直々に選ンでやってもいいけどよ、御坂美琴は下着のエロさもレベル5って噂が立つかもなァ」
「っ…!こ、ん、のドスケベがぁぁあああああ!!!!」

反射を使わないで避けるのがまたムカつく。スケベって言っても今のこいつは生物学上、女ってことで、店員に変人扱いされたのはこいつのせいだってことにしておこう。








とある高級ランジェリー
ショップにて



(そういや、あんたはどうしてんの?)
(……)
(ふふふ、さっきの雪辱戦ってわけね。覚悟しなさいよ!)
(オイ、その手怪しすぎンぞ。どっかのセクハラ上司かテメェは)
(あ!百合子、ヒモパンはいてみなさいよ)
(聞いてねェし!つゥかテメェがはけ!)




end.










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