◎とある探偵事務所










ふああ、と伸びをしたインデックスは向かい側の席に駆け寄る。彼女の仕事は依頼人の対応やら外向きなので人がいなければ大概暇だった。

「あくせられーた。何してるの?」
「盗聴器の改良型作ってンだよ」
「ふーん、大変だね。でもちょっとお願いがあるかも」
「ちったァ労るとかないンですかァ?」
「君に気遣いしてもムダだって学習してるからね」

ふふん、と鼻で笑う。一筋縄ではいかないのが、この探偵事務所にいる少女の特徴だ。それはソファに寝転がって日がな耳にイヤホンを突っ込みながらテレビを観ているニートも一緒で。

「みことと盗聴器回収に行ってほしいんだよ」
「…別に俺単独で問題ねェだろ」
「みことの電磁波が必要だってこと。あくせられーたもわかってるでしょ?じゃ、よろしくね。もし行かなかったら経費出さないからね!」

会計係兼秘書の彼女はビシリと指を突き付けて後は素知らぬふり。

「オイ」
「……」
「聞いてンだろ」
「……何よ」
「盗聴器。回収行くぞ」
「はぁぁぁ……何でアンタなんかと。せっかくイイとこだったのに」

それはこっちの台詞だ、と内心で返しながら二人は事務所を出る。よく晴れた日だった。仕事の前に事務所階下の飲食店に入る。

「首尾は?」
「まあまあね。依頼人の夫の愛人、あれは黒ね。まさか依頼人の『トモダチ』だとは私も思わなかったけど」
「親友?…あァ、例のマルチの女か」
「あったりぃ〜。そのデータさ、夫と愛人真っ昼間からもー盛ってて聴くに耐えないわ」
「そりゃご愁傷様」

御坂はラーメンを啜りながら、一方通行にちろりと目をやった。そしてニヤリと笑う。

「あ。アンタも聴く?『ドーテー』にはちょっち刺激的すぎるかもだけど?」
「名高いハッカーの御坂美琴サマにしちゃァ珍しいなァ、情報仕入れ間違うなンてよ」
「……え?ウソ…。アンタ、だって見るからにっ、」
「よー御坂、一方通行」

御坂が勢いよく椅子から立ち上がると同時に暖簾をくぐった少年が2人に軽く手を上げた。

「ちょっと社長!聞きなさいよ!」
「ぐわ!み、御坂さん、頭が!頭が揺れる!」
「あ、あくせられーたが、一方通行が女犯したって……!!」
「え、強姦!?あれは無期か運が悪ければ死刑か……一方通行、今のうちに上条さんは社長として自首を薦めます」
「犯してねェよ!合意の上だっての!つーかオマエだろォが、外回り行く度に新しい女連れ込むのはよォ!!」
「確かに。そのうちアンタが調査対象になったりして」
「面倒だし今、仕込ンどくか」
「コラそこ!何をしてらっしゃるんですか!?あ、ちょっと待っ……」

ケータイ裏の蓋と電池パックを外した場所に貼られていたのはインデックスでも御坂でもない女の子と写ったプリクラ。

「それは、そのー……まぁ信じてくれないですよね」

にたにたと嫌らしく笑う御坂と一方通行にはは、と小さく笑うしかなかった。

「「浮気調査開始、(ね)(だなァ)」」







end.


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120309



▽某月9の影響。女優さんかわいいのでぜひ美琴ちゃんに。







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