▽頂いた続きものです。






いつもとは違う熱っぽさのある響きに無反応でいられるはずもなく、ズボンの上から太腿をゆっくりと撫でればいよいよ本格的な焦りの色が浮かんだ。

「お、い…ほンとに、やめッ…!」

「聞こえねぇー」

ふざけた口調でありながら至って真面目な顔で一方通行の目を真っ直ぐ見つめる。それだけで絆されるわけがない、と思いながらも抵抗は弱くなっていきベルトにも手をかけさせているのは、全て風邪で動けなくなっているせいにしてしまった。火照った脚を隠していたズボンがなくなって肌寒さに膝を擦り合わせていたが、下着越しの緩い刺激に耐えようと下唇を噛む仕草が垣根には愛おしかった。
信じられない程に細い両足首を掴んで脚を開かせて下着を脱がせる。勃ち上がった性器があらわになった頃には学園都市最強の面影も残っていなかった。熱と羞恥心で顔を真っ赤にして、小刻みに震えている。

「…ッ、クソ、やろォ……!」

視線をそらす一方通行がやっと口にした罵倒さえも、垣根の気分を高揚させていくばかりだ。既に先走った液体で濡れている性器を刺激すると、抑えられなかった声が漏れて身体が強ばったのが目に見えて分かる。それを聞きながらローションをべったりと塗って指でアナルを馴らしていった。適当なところでやめて、垣根が自分のモノをゆっくりと押し込んでいく。

「か、きッ……ン、ァ…ッ!」

「力、抜けっての…!」

ローションを使って前戯をしっかりしていたおかげで奥まで入りきっても、あまり痛みを感じずに済んだ。息は荒くなって汗もかいているので、さっきより更に色っぽくなった一方通行を見て、垣根が気遣いをできるはずもなく―――、

「手加減、できねぇかも」

それだけ言って病人相手に容赦なく腰を打ち付ける。今更抵抗などはなく、一方通行はぐったりと両腕を広げたまま与えられる快楽に酔っていた。さっきまでろくな返事もしなかったのに今は垣根のことを不安そうに見つめるものだから、小動物と目が合ったときにも似た保護欲が芽生える。
そんなことを思っていたら不意に一方通行が両腕を伸ばして、垣根の首に腕を絡めた。耳元で絶えず繰り返される浅い呼吸の中で、ギリギリ聞き取れた囁きは垣根の身体中を震わせる。

「お望みの…ナカは、……熱い、れすかァ…」

呂律が回っていないのが更にいやらしく聞こえて、垣根は耐えられなかった欲を吐き出した。直後、一方通行も掴んでいたワインレッドのジャケットに爪をたてて達した。
少し呼吸を整えてから間近にある白い髪を撫でてみる。何も言わないで中に出したせいで殴られるかと思っていた垣根だが、予想に反して反応はない。髪をかき分けて表情を確認しようと手を伸ばした瞬間、絡みついていた腕から力が抜けて一方通行の身体はシーツの上に投げ出された。




「…悪化、したじゃねェか……クソ、メルヘッ…ゲ、ホッ」

さっき食べた食事を戻すのではないかという勢いで咳き込む第一位。横で冷や汗を流しながら水の注がれたコップを差し出す第二位。
あの後、一方通行は気を失って、目が覚めたらこんなことになっていたのだ。原因は明白なのであえて言ったりはしないが。そして、垣根なりのせめてもの償いの気持ちとして、こうして看病しているというわけだった。

(でも、コイツだって意外とノリノリだったし…俺だけのせいじゃねぇよな)

水を飲みながら咳き込んだせいで毛布をべちゃべちゃに濡らした一方通行を見ながらそんな言い訳をして納得する。立ち上がってタオルを取りに行く垣根は、こんなにか弱い一方通行が見れるなら悪くない、と労働に見合った報酬として心のフォルダにそっと収めたのだった。

しかし後日、垣根が寝込むことになるのは言うまでもない。








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気まぐれカスタネットのカイさんとの合作になりました。
改めてカイにゃんありがとう!

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テーマ「人外ファンタジー」
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