背中に受けた打撃で深いまどろみから引きずりあげられる。カーテンから漏れる光は眩しい。昼だろうか、と適当に推測した。

打撃の正体は勿論、一方通行の足。ひょろいくせに普段は非力のくせに無意識下だと威力が増しているとは頂けない。
が、白い足を捕まえてみると昨日の情事の痕がはっきりついており、それを見てひにゃり、とらしくもない笑みを漏らしてしまう。

俺と一方通行はつい先日から同棲している。勿論同意の上だ。その証拠に昨晩はお楽しみだったのだ。それも勿論同意の上だ。

「うわーうわー、なんだコレ。はっずい。馬鹿みてぇ」

今の顔を一方通行が見たなら、いつも通り全力のしかめっ面で"きめェ死ね"と言うに違いない。いや、言ってくれないと寧ろこっちも困る。今の俺は最高に気持ち悪いだろう。

「顔、洗ってくっか…」

しゃきっとしなければ、と立ち上がるも一人分空いたベッドの上で、一方通行がシーツを握って猫のように丸くなるもんだからきりがない。

「新婚さんかっての…アホらし……いや悪くな…いやいや」

エプロン装備の家庭的一方通行がキッチンに立つ光景が脳裏を横切るが、冷水を顔に打ち付けて抹消する。そのままがむしゃらに顔を洗って、伸ばした横髪が張りついているが、邪魔くさいのにあまり気にならない。
ぶは、と顔を勢いよくあげる。鏡ごしの自分の顔は直視するに耐えないものだろう、と目を逸らすと視線の先には。


「っっあ、一方通行ーーー!!」
「……ン、う゛っざいンですけど」
「見て見ろ見てください!!歯ブラシこれ!!ちゅーしてるみてぇじゃっ」
「きめェ死ね」








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