学パロ仲良しグループ
ほんのり土一
「一方通行から電話が来なかった」
肘を付き、完徹で完成させた企画が通らなかったかのような哀愁を漂わせながら土御門は言った。
何らいつもと変わらないように見えて、この男はかなり堪えてる、と経験上結標と海原は視線を交わす。片方は口角をあげ、片方はため息を一つ。
(賭けは私の勝ちのようね。第一、何の利益もなくあっちがかけてくれるはずないでしょうが)
(…今回はかなり土御門さんが念を押していたんですけどねぇ賭けに出てみたんですが)
(まあよろしくね駅前のエステサロンの無料VIP)
「……なーにこそこそやってんだにゃー」
「ひっ…!何よその地べたを這うような声、いつものことじゃない」
「アナコンダが地を這う音ですよまるで」
「アナコンダ……ヘビにも目が赤く表面が真っ白いやつがいてだな……」
「あら気持ち悪い………なによその目、ヘビの話をしてるんでしょ」
「そうですよ。赤眼色白肌は一方通行さんの専売特許じゃないんですから」
ギロリとグラサン越しに強くなった視線が海原へ注がれ、埒があかないと空気が読める系女子高生、結標は話を冒頭に戻す。
「で、その一方通行は今日はいないの?」
ピキッという音の原因は、青筋をたてる音かグラサンに罅が入る音か組んでいた指の間接同士のぶつかり合いなのかは、
「‥‥‥‥第二位と窓から出て行きやがった」
土御門の正面に座っていた海原のみが知ることになる。