「にゃあ」
「ン」
「ナー」
「ふわふわー」
「にぃ、にー」
「・・・・馬鹿ずらァ」

(猫と戯れる系美少女ってのも悪くねえんだけどさー)

俺を、見ろ!なんて言ったって、どうせ返ってくる言葉は死ねキモい失せろクソメルヘンとか返ってくる相場は決まってるし。いくら可愛いがってやってるからってそれはどうなんだと正面向かって言ってやりたい。だが、コイツの沸点は俺より遥かに低いためこっちが引き下がることで平和を守るのだ。
はー俺ほんと健気。百合子がにゃんにゃんとにゃんにゃんしてる間に近くの自販機で買ってきたカフェラテをちびちびと飲む。
どこのオッサンだよと一人ツッコミを入れ(それにより一層虚しさが募る募る)しゃがむことで小さくなった背中を見やる。笑顔は猫の野郎が独り占め中のようだ。
だが、あの百合子を柔らかい表情にさせるとは動物の癒し効果とは計り知れない。
今くらいは、許容してやるさと百合子に擦りついていた猫とアイコンタクトなんてとってみる。ナーと鳴いたそいつは、

「ひゃ ッ」

百合子のスカートの中に潜り込みやがった!

「いーい度胸だなこの猫ヤロー誰の前でなにしてると思ってんだコラァ!!」

「オイ、うざったい羽根出してンじゃねェ馬鹿っ」

「俺の!百合子に!目の前で手出しといて にゃあ じゃねえよ去勢するキンタマ潰すどけ百合子。マジ許さん」

「あのなァ、相手は猫さンだっつうの」

「猫さんだろうが何だろうが恋人である俺の百合子を独り占めした挙げ句、俺も未だ手ぇ入れたことのない未開の地に足を踏み入れた罰は重いぞゴラ!!」

「スカートと書いて未開の地って言うの止めてくれキモい」

「キモ…!?ッくそ、とりあえず帰るぞ百合子!おい猫放せ!!睨むのやめろちくしょう!」





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