「これを、」
「あン?」
「だからこれを、とミサカはハンマーを受け取るよう促します」
「何がしてェんだ」
「いいえ、大したことではありませんのでとミサカは状況説明を放棄します。」
「‥で、用件は何なンですかァ」
「ハンマーの使い道は一つですよ、さあ、とミサカは自分の頭とハンマーの先を指差し一方通行に目で訴えかけます」
「オイ馬鹿言ってンじゃねェよ。メンテナンスの手配ならしてやる」
「むう、一方通行のわからずや、とミサカは上位個体っぽく幼稚に頬をむくれさせてみます。が、カユ‥」
「馬鹿してんじゃねェよ。さっさと帰れ」
「いやです、これじゃあ貴方に会いに来た意味がありませんとミサカは再度頭に指を差して‥‥っ!な、」
「とっとと当初の目的を簡潔に言え」
「イタタ‥‥連続チョップはネットワークを通して体感してましたが、実際なかなかダメージをくらいますとミサカは上位個体と同じ体験が出来て内心喜んでます」
「ハァ‥?」
「要するにですね、ハンマーで叩いて小さくなって上位個体同然に甘やかしてほしかったのですとミサカは素直に白状したのでご褒美が欲しいと視線で語りかけてみます。じー」
「‥‥チッ、ネットワークに助けられているとはいえうざってェ機能だ」
数秒後、ミサカは思いがけないご褒美をいただきましたと頬を緩ませ布団の中で悶えに悶えますっていうかあれは反則では‥‥きゃーーー
極論、彼は大した甘やかせ野郎でした