08
粘膜が裂かれるような痛みに内腿がひきつって、シーツを掴む。
「ちょっ…サッ、チ」
待って、と口から吐き出される前に捩じ込まれていく熱は、感覚からして生々しい。
だいぶ抜けてきた酔いが、名無しの意識をハッキリさせていく。
「ゴ…ムっ!」
何とか言い切ったが、サッチは軽く首をかしげて笑うだけで、名無しの膝を押し上げて深く突き刺す。
「っひ、ぁ」
黙らせるように押し進められた腰に、背中から冷や汗が滲んだ。
「サッチっ!」
「大丈夫だって、外に出すから」
逃げるように背筋を捻る名無しの身体を自分の方へと引き寄せて無遠慮に熱を名無しの中へと全て押し込む。
ドクドクと脈打つ熱はいやなぐらいリアルに粘膜に絡みついて、襞を押し広げる。
「すげ、名無しの中」
熱いぐらいの内部に目が眩んでいる名無しの足に腕を絡めたサッチが、ゆっくりと腰を引く。
異物感が減って、安堵したように息を吐き出す名無しは再び来るであろう衝撃に唇を噛み締める。
ズッ、と滑るような音と先程よりも深く抉られる感覚に、背中がのけ反り口の隙間から小さく悲鳴が漏れた。
「…っんん」
掻き分けるように尖端が襞を押し退けて繊細な粘膜を抉るように擦る。
敏感な部分を擽るような感覚に、知らぬ間に力が籠ったらしくサッチが静かに息を詰めた。
繰り返される律動と、耳に届く水音がやけに甘美で緩んだ内壁が縁取るようにサッチを受け入れる。
「い、やっ!…ゃ」
口から出る拒絶と、背筋を走る官能が頭の中を掻き回して真っ白に染め上げていく。
より貧欲にサッチを求める内壁に羞恥を感じるどころか、与えられる快楽を待ち望んで腰が揺らめいた。
「ネタでも何でもいいから、俺のこと好きだって言えよ」
ずくりと子宮に響くようなその低い声にすら名無しの粘膜が反応して、あらゆる部分の毛穴が開いた気がした。
「さ、…ッチ、す…っ、き」
深く抉られる度に一言ずつ紡ぐ名無しにサッチはうっすらと笑って俺も、と小さく呟いて唇を重ねた。
何度もしてきた筈なのに、やけに恥ずかしくて触れただけの唇がもどかしい。
離れるサッチの唇を名残惜しむように舌先でなぞると、それに応えるように舌が絡んでサッチの口腔内に導かれた。
「…っん」
サッチを真似るように舌の根本を舌先で擽ると、内壁が押し返されるように熱が上がる。
「…名無し、もう一回」
唇を重ねたままねだるように笑うサッチが妖艶で、背筋がゾクゾクと震えた。