雉の上行く仏



ポコンポコンと会議の資料を丸めた紙で頭を殴られ続けること30分はたった。未だに打撃は止まることはないし、口から漏れる説教も止まるところを知らない。

いきなりヘルメッポに殴りかかった、という報告がなされた名無しの身柄は、ダルメシアンとクザンを素通りし、センゴクのところまで一気に吊り上げられた。
と言うのも、クザンが珍しく仕事に出ているからで、本来はクザンで止まるはずだったらしい。

大抵クザンが下からの文句をやる気なくハイハイと聞いて、そのまま寝て、起きて、言われたことを忘れてお咎めなしみたいななし崩し状態なのだが、今回はセンゴクなのでそうはいかない。


「貴様のような不真面目なやつは、謹慎だ!と言いたいところだが」


眉間にシワを寄せたまま、不機嫌そうにそう言ったセンゴクは、言葉を切って名無しを睨み付けた。


「貴様のことだ。喜んで謹慎して出てこなくなりそうだからな、罰はガープのヤツに任せる」

「マジかよ!ガープの地獄メニューヤバイんだけど!」

「罰則だぞ。そのくらいが当然だ」


毅然とした態度でそう言い捨てたセンゴクに、名無しはぐぬぬ、と低く唸った。
センゴクの読みはまさに正しく、謹慎なら謹慎でどこかに遊びに行こうと思っていた。勿論謹慎という言葉の意味はわかった上で、だ。


「素朴な疑問なんだけど、なんでクビにしないの?飼ってても鉄砲玉なんてやってやらないよ」


殴るのを止めたセンゴクを見た名無しは、ここぞとばかりに口を開く。
その言葉を聞いたセンゴクは、苦虫を噛み潰したような顔をしてからため息を一つ吐いた。


「……では何故お前はあの時わざとヘルメッポを殴った?」

「……」













雉の上行く仏


「あー……、なんだろうこのウザイ感じ!チリ毛を濃縮した感じ!」

「余計なお世話だ」




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