毎度、



「男の中の男、ニューゲートさん、略してエドさんお久しぶり!」

「グララ!暫く見ねぇうちに随分でかくなったなァ、小娘」


エースの報告のついでに挨拶がてら白ひげの部屋に顔を出すと、点滴のチューブがやたら増えていた。
顔色的には元気そうだが、人間とはよくわからない。

今が今どうかなるわけではなさそうが、なんだかちょっと複雑な心境だ。


「申し訳ないんだけど私数年前から身長も伸びてなくて……胸なんて産まれてから全く成長してない!」

「そういう意味じゃねェだろい」


イラッとしたように口を挟むマルコは顔見せ時には毎回側にいる。マルコ曰く、オヤジに失礼な事をしたときに何時でも蹴り飛ばせるようにらしい。
すぐ暴力に出るところはとても共感できるが、自分がされる立場だととてつもなく複雑だ。


白ひげ自体はたいして気にしていないのかグラグラと笑いながら酒を飲んでいる。


「今日は荷物はどうした」


酒の合間に名無しの背後に視線を向ける。その言葉に名無しはうーん、と言葉を濁らせて右足の脹ら脛を左足の先でガリガリと掻いた。


「実は……その、今回は行商じゃないんだよね」

「そう言えば海軍に入ったって赤髪の小僧が言ってたなァ」

「うえぇっ!?エドさん情報網パネェっす!」


言いにくかったことを白ひげがさらりと口にして、名無しは勿論、マルコも同じように驚いていた。エースは前に言っていたから別に驚いていない。


「小せェことは気にせず遊んでいけ。ラクヨウが寂しがってたぞ」


グララ、と舌を震わせるように笑った白ひげは名無しが海軍であることを小さい事だと言い切った。
男前すぎる心の広さだ。


「エドさん……」


言葉を詰まらせた名無しはマルコの方を見てふんっと鼻を鳴らした。
馬鹿にするために見たのだが、マルコは白ひげに見とれていて名無しのことは眼中になかった。ここまで親離れが出来てないおっさんも珍しいだろう。

マルコの場合は自他共に認める親父命なので特に気にしてはいないのだろうが、端から見ているとなんだか微妙な気持ちになる。


「なんだろうね、このやるせない感じ」

「親父はかっこいいからな」












毎度、


「えっ、いや、そうなんだけど……うん、そうだね」




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