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 かみさま、




 夢の中で言った言葉が喉元に張りついてる気がして咳払いをした。最悪な寝覚めだ。神も仏もくだらない。何度と祈っても俺を助けてくれなかった。週に一度、誰が言ったかもわからない教えを聞いて、指を絡めて目を閉じる。その行為をこれ以上ないってほど無駄なことだと思っている。




「好きだよ」




 ウソツキ。そんなもの、一月もすれば薄れるくせに。すうっと近寄る体を軽く押し返しただけでよろけた。ほら、そんなもんだ。




「本当よ。」
「じゃあ証明して」





 揺らいだ目を見たくなくて、手で覆い隠した。その目で見ないで。ウソだとわかっていても騙されたくなるんだ。

ーあつし、私は本当に、ー


 濡れた唇を塞ぐ。やめろ、聞きたくない。見たくない。好きになりたくない。焼き付けてしまえば手に負えない。きっと。





「かみさまに誓うわ」





 なんて気味の悪い、愛の言葉。



130208 amo
死にゆく恋情のはじまり


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