main* | ナノ
「あーあ」
3カ月前にケンカしたっきり連絡しなくなった彼氏からやっとールが来たかと思えば、わかれようのメールで大人なんだから変換しろよと思いつつ わかったぁ。ありがとうバイバーイ と返した。我ながら軽い別れだけど、そんなもんだ。連絡くれない時点で冷めて、どうでもよくなった。いつも長く続かない。何でだなんでだぁー?
「なまえちんが悪いんじゃね〜?」
「は?そんなわけないじゃん」
「ほら、そーゆーとことか。」
どーゆーところかわかんないけど、それは絶対ない。敦以外の男に素を見せたことないし、普段は完璧に猫かぶってるから。言葉遣いもちゃんと女の子らしくしてるし、ぼりぼり体を掻いたりしない。寝転がってお菓子食べるのもよれよれのジャージであぐらかくのも、敦の前だけ。幼なじみの腐れ縁というやつで実際めっちゃ仲良い。
「てかさぁ〜、今日も聞かれたんだけど〜」
「私と付き合ってるの、って?私も聞かれたまじだる」
「なまえちんはぁ、……ないわぁ〜」
「溜めて言うなし。しかもそれ私だって同じだからね。敦とか、………ないわぁー」
「うざ」
でもこの空気は別に悪くないんじゃないかなって思ってる。てか嫌だったら一緒にいないし。けどほら、それとこれとは別じゃん?敦は私が作ったクッキーを不味い不味いと言いながらも食べている。そんな不味いなら食わなければいいのに。ツンデレってこういうことか。あ、ツンデレって言うよりつんだる、って感じ。
「あーつしっ」
「重いんだけど〜」
「うっせ。誰か男紹介して。できればイケメンで背高くて優しくて変態じゃない人」
「ん〜、俺とか〜?」
「ないわぁー」
そういえば元彼とケンカした原因は敦だった。俺と紫原くん、どっちが大事?ってバッカじゃねーの。敦に決まってんじゃん。
「またすぐ別れると思うけどね〜」
「半年続いたらお祝いしてよ」
「は。まずありえないし〜」
130527 amo
いちばんすき、