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 与えられるだけの人生だ。そしてそれを持て余すだけの人生だ。贅沢者だって言われても知らないよ。だって俺は別に何も欲しくないのに勝手にくれたんだもん。欲しがるものは特にない。っていうか欲しがって手に入んなかったらつまんねーし惨めじゃん。




「大好きなのにたまに大嫌いって思うの。たぶん半分半分なの。」




 俺が初めて欲しくなった人はそう言って泣いている。今まで好きになってくれた子を利用するような付き合い方しかしてこなかった。恋愛感情とかよくわかんなかった俺が、好きで好きで手に入れたくてたまらないのに気づいたときにはもう別の人のものだなんて本当にあるんだ。それならもう諦めちゃえばいいのに、日に日に好きが増していくんだから意味がわからない。だからなまえちんが言ってることわかるよ。好きなのに大嫌いなの。





「敦にはわかんないよね」
「……わかるし」





 いつも考えてる。何してるのかとか誰のこと考えてるのかとか、俺のこと少しでも考えてくれないかなとか。どうやったら俺を好きになってくれるんだろうって。喜んだ顔がみたくて頑張ってもなまえちんの彼氏にはどうやったって適わない。ならいっそ嫌われてしまいたいのに、それも出来ない。奪うことも出来ない。惨めだ。報われないことをわかっているのに。だから大嫌いになる。わかるよ。わかる。





「……なまえちん、俺」
「なに?」
「んーん、何でもない。」




 大嫌いだよ。だけど大好きなんだ。




130421 amo
please


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テーマ「人外ファンタジー」
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