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「伊武ぅううう」
「……なに」
「おなかいたい」



女って本当に面倒な生き物だとすごく思う。月に一回こうやって生理痛に悩まされないと子ども作れないとか女ってまじ…ないわ…。しかも生理になると肌荒れヒドいし、食欲ありすぎて太るし、脚も顔もむくむし、無性にイライラするし!その点男はいいよね。何かあれでしょ、子ども作る準備なんかいらないじゃん。色んなもの出すだけでしょ。あれ、入れて出すだ「聞こえてるから」



顔を上げると、伊武のいつもの無表情が少し崩れて、微妙な顔になってた。その顔怒ってんの?照れてんの?



「呆れてるんだけど」
「あー、そっちか」



てか、今さらだけどさ、生理痛で苦しんでる私に席譲ろうよ。私死にそうなんだけど。的な視線を送っても伊武は無視。イスに座ったまま携帯をいじっている。私空気。わざわざ伊武のクラスまで来たっていうのに。そこに意味はないけどね。いつもの冷たさがつらい。むしろからい。



「いや痛い!!!」
「うるさい」
「うぅ…伊武が冷たいよーイブの半分は優しさで出来てるのにー」
「それバファリン」



ナイスツッコミ。もう机にしがみつくのも辛くて、床に倒れた。ひんやりしてて気持ちいい。ここだいぶ汚いけど気にしない。そんな余裕ない。あー、このまま寝れそう。目を閉じかけたところで頭に軽い衝撃。…伊武さん。女の子の頭を足蹴にするのはいかがなものかと。



「そんなキツいんだったら来なけりゃよかったのに」
「だって伊武に会いたいじゃん」
「…馬鹿?」
「そんな蔑むような目で…」
「会いたいなら帰りにでも行ってあげるのに」



…伊武さん、できればその言葉、せめて同じ目線で顔を合わせて聞きたかった。とりあえず頭ぐりぐりすんの勘弁してください。




20120829 藍本に捧ぐ

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