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「財前」
「……」
「財前くん」
「…………」
「ざーいぜん」
「……………」
「財前、財前財前財前財前ざいへぶっ」
「…うざい」
「じゃいじぇん、はにゃへ」



携帯をいじっていた右手がにゅうっと伸びてきて、わたしの頬をむぎゅっとはさんだ。手のひらの固い皮膚(マメ)が当たってなんとなく不快。財前によってわたしの口はいま三のくち、のび太の目(メガネないとき)、女の子としてはかなりやばい顔。わたしをこんな顔にした財前は携帯を左手でいじっている。ばかばか



「はにゃせ」
「…………ぶっさ」



ちらりとこっちを見て眉をひそませた。ドエスめ



「ぶさくないし」
「あ、もともとそんな顔やったな」
「……ちょっと自分がイケてるメンズだからって、ちっ」
「舌打ちすんなや」
「ま、白石のほうが超イケメンだけど!!」
「…なんでお前が勝ち誇ってんねん」
「ぶえっ」



また頬をむぎゅっとされ、今度は携帯を見ずにわたしをじーっと見ている。いや睨んでる?ちょっとお兄さん、イケメンが台無しですよ。だから大人しくその手を離しなさいな



「……じゃい



……ありえない。よりによってこのタイミングでキス。わたしこんなぶっさい顔(あ、認めちゃったし)。



「…負けとらんわ」
「白石に嫉妬か!こーのツンデレー」
「うっざ」
「かーわいいなー」
「違いますわ」
「好き!財前好き!」
「はいはいうっさい」
「ツンデレ財前好き!好き!」
「俺もなまえのこと好きや」
「!!」
「ミクの次に」






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テーマ「人外ファンタジー」
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