これの続きみたいで、そうでもないような。
財前と最後にセックスしたのは1ヶ月前だった。よくよく考えてみると、もう一週間も会話をしていない。私たちは同じ部屋に住んでいるのに。
カチカチ、
マウスの音だけが、部屋に響く。私はというと、ただぼーっと彼の背中を眺めていた。丸まった背中が好きだと思った。ぼさぼさの黒い髪が好きだと思った。ピアスのついた耳が好きだと思った。マウスを包む手が私の体を這うのを想像してみる。胸がきゅうっとなった。こっち、向け。
「……財前」
「…なんや」
カチカチ、
「白石先輩と、ヤったよ」
カチ、
手が伸びてきて、私はぞくぞくしていた。頬につう、と指が触れただけで子宮が疼いた。パアンと乾いた音、じわじわと熱をもつ頬、引きずられる。向かった先はバスルーム。バスタブの縁に膝裏があたり、崩れそうになって慌てて縁に手をかけた。
「お前は俺のや」
瞳には、私しか映っていない。そう気づいたときには私の視界は白いタイル一面に変わっていた。後ろから私を突くそれは先輩のと同じなのに、違う。
私と彼の混じった精液が太ももにつたって流れた。
110416 chikura