ガールミーツホスト | ナノ

結局沢田さんに丸めこまれて雲雀のマネージャーをすることになってしまった。マネージャーっていっても時間通りに出勤させるだけの簡単なお仕事。洗濯したあとに部屋に起こしに行けばいいだけ。カンタンカンタン楽チンじゃん。あいつと顔合わせるのは嫌だけど起こしてあとは車に放りこめばいい、それだけだ。よし、じゃあ初日がんばるぞー

沢田さんたちとは少し離れたところに奴の部屋はある。廊下を進んでいくと、大理石の床から竹の道に変わっていく。和室が好きだからという理由でここだけ和風にしてしまったらしい。襖を勢いよくスライドすると、雲雀はすうっと目を細めた。



「うるさい」



もっと静かに入ってこれないの、奴の言葉を聞き流しながら畳の上をわざと足音を立てて歩く。思った通り、雲雀は眉を顰めるけどそんなの構うもんか。



「出勤です。さっさと着替えて車に乗りやがってください」
「嫌だ」



嫌じゃねーよ…!危ない危ない、舌打ちしそうになった。



「体調でも悪いんですか?」
「悪そうに見えるかい?」
「全く。お仕事に行けない特別な理由があるのかと思ったのできいただけです」



理由がないならワガママ言わないで着替えてください、と言ってもこの男は動く気配すらない。ああそう、そういう事ならこっちにだってやり方があるんだからね。



「…何してるの」
「脱がしてます」
「見ればわかる、何でってきいてるの」
「あんたが着替えないから着替えさせてあげてるんです」
「………」



私だって嫌だけど出勤まで時間ないんだから…!てかいきなり黙らないでよ。男の裸なんか何ともないって顔してるけど恥ずかしいんだからね!意地でもそんな素振りは見せないけどすっごい恥ずかしいんだからね!



「ふっ」
「っひ、…何するんですか」



首筋に息を吹きかけられて、ぞくっとした。変な声も出たし恥ずかしい。雲雀を睨みつければ楽しそうにくつくつと笑っている。遊んでるなこのやろう…!



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