ガールミーツホスト | ナノ
「まりあ…何かあった?」
「へっ?!」
「んー機嫌悪いなあと思って」
どうかした?沢田さんの手がわたしの頭を撫でる。優しいあったかい手。あー落ちつく…
「まぬけ面」
あったかい手の感触がすっとなくなって、おでこに衝撃。いったいなあ!ってこの声は…!
「さっきの!!」
「人を指さすなんてしつけがなってないね、中村まりあ」
「しつけとか言うなぞわぞわする!」
「いちいち騒がないでくれる?耳ざわり」
むっかつく!
「まりあ、雲雀さんといつ知り合ったの?」
「雲雀さん?」
雲雀って爽やかな名前。名字?名前?というか雲雀って誰ですか?たずねると、沢田さんはにこっと笑って目の前の男を指差した。
「あれ」
「あれって言わないでくれる」
「彼が雲雀恭弥。僕よりたぶん一個上の年で、お店ではナンバーワンなんだよ」
あれが雲雀恭弥なんて爽やかでかっこいい名前?!ナンバーワン?!ウッソだあ
「全部声に出てるんだけど」
「えっ?聞こえちゃいましたー?すみませーん」
「これだけ心のこもってない謝罪は初めてされたよ」
「いたいいたい!!叩かないでくださいよ!頭悪くなったらどうしてくれるんですか!」
「………はっ」
「うわっ!元からだろ、って顔しないでくださいむかつく」
「へえ、君にも僕の心理が読めるんだね」
むっかつく!沢田さんも何か言ってやってくださいよ。後ろを振りかえると沢田さんがぽかんと口を開けて呆けている。さ、沢田さん?
「まりあ、雲雀さん怖くない、…みたいだね」
「何言ってるんですか沢田さん」
「綱吉、やっぱりこの子供追い出してよ」
「はあ?無理ですう」
「君には聞いてない」
沢田さんがわたしを追い出すなんて、そんな鬼か悪魔のようなことするわけないじゃない。ね!沢田さ……あれ?何かその笑顔見覚えがありますよ沢田さん。洗濯のお仕事ときの笑顔。
「…まりあにお願いしちゃっていいかな?」
「わたしまだ洗濯物がっ」
「い い か な ?」
「はいなんなりと」
「雲雀さんのお世話係を命じる」