ガールミーツホスト | ナノ

ここに住ませてあげる、ご飯もちゃんと出す、必要なものも服も買ってあげる、だから代わりといってはなんだけど、まりあに仕事をしてほしい。沢田さんは笑顔を崩すことなく穏やかな口調で言う。



「まりあ、洗濯とか掃除とかできる?」
「…あまり得意ではないですけど、一応。」
「じゃあよろしく」
「へ?」



仕事って……家事?沢田さんが分厚い本をわたしの目の前に置く。



「これ洗濯機の取説。掃除は我流でがんばってね」
「……はあ…?」
「ここ、人を雇ってもすぐトラブル起こって辞めちゃうんだよね。いやあ良かったな、俺らは毎日忙しくて洗濯だの掃除だのしてる暇ないし」



なるほど。トラブルっていうのは……そういうこと。



「あと約束してほしいことがあるんだけど」
「はい」
「一人でここから出たりしないでね?」
「?それはどういう、「あっでもこの広さだったら掃除と洗濯で1日終わるだろうから心配ないかな」



確かにここは広いけど、1日もかかるわけない。首をかしげていると沢田さんがわたしの手をひく。



「百聞は一見にしかずって言うし、とりあえずついて来てよ」











えーとここはクリーニングの会社だったかな?
一室に連れてこられたわたしはあまりの驚きに口が塞がらない。衣類の山だ。公園の砂場、なんてレベルじゃない。登山できる



「……富士山ってこれぐらいですかね」
「そんなにはないから。気をもって」
「がんばります…」



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