ガールミーツホスト | ナノ
ここは本当に日本だろうか。目をごしごしとこすってよく凝らす。城だ、紛れもなく城だ。わたしが寝てる間に飛行機で国境越えた?だって城だよ?日本にこんな城があるわけないじゃん。何坪?!東京ドーム何個分?!
「ただいまー」
え?入るの?わたしみたいな平民がこんなお城に正面から入っていいの?う、裏門からとか…。扉の前でたじろいでいたら背中を押された。
「ぼーっと突っ立ってんじゃねえよ」
わたしの考えてることを全て見透かしたように裏門なんかねえよと獄寺さんに言われた。あ、案外中は洋風ってだけで普通だったり……しなかった。土足って外国か!
「まりあのこと、ちゃんと紹介したいからみんな談話室に集まって。行くよ、まりあ」
沢田さんに手をひかれて、だだっ広い廊下を歩く。こんなに広いならお手伝いさんがいるものかと思っていたのだけど、廊下には人っ子ひとりいない。にしても、本当に広い…迷子になったら戻ってこれないかもと思うと身震いがした。
「まりあを、まずリボーンに会わせなきゃいけないんだ」
「は、はあ…。(リボーンって山本さんが言ってた?)」
「……はぁぁああ」
「さ、沢田さん!?」
手をひかれたまま沢田さんがいきなり座りこんでしまったものだから、わたしも下に引っ張られてそのまま沢田さんと床に座りこむ。沢田さんはうつむいたまま。どうしたんだろ
「(ぶつぶつ)嫌だなあ、何でリボーンに会わせなきゃいけないんだよ…」
「リボーンさんって?」
「俺の恩師、一応。んであそこのOBみたいなもん。ここの管理もしてんの。イタリア人だから生粋の女好き…はああ」
「恩師で、OBで、管理人…」
「あんなのにまりあ近づけたら孕ませられる」
「はらっ?!
「おい、ダメツナ。なに人の印象台無しにしてくれてんだ」
頭上で声がして、黒い革靴を視線でたどり、見上げていくと色気が垂れ流しの男の人がいた。位置で仕方なく見下ろされる形になるんだけど、それがまた、そのアングルがかっこいい。しばらくぼーっと見つめていると、リボーンさんはにこっと微笑んだ。
「…なかなか部屋に来ねえわけだ。すっかりお気に入りだな」
「取るなよ」
「誰がこんなガキ取るか」
確かに。リボーンさんみたいな大人の色気むんむんな人は外国の色気があって巨乳の女の人はべらせてそう。安易に想像できるよ
「まりあ」
「は、はい!!」
「がんばれよ」
「はい…?リボーンさん!」
「何だ」
「お世話になります!」
頭をふかぶかと下げる。お世話になるんだ、菓子折りもなにもないけどせめて挨拶くらいはきちんとしなきゃ…!頭をあげるとリボーンさんがにやりと口元を微かに上げ、リボーンさんの指がわたしの頬をすうっと滑るをとる。一連の動作があまりに優雅でぼうっと眺めていたら頬にやわらかい感触。
「っ!?」
「リボーン!!!」
「挨拶だ。いちいち目くじらたてんな」
「まりあ、今すぐ拭いて!てか顔洗っておいで!孕むよっ」
「んなわけあるか」