ガールミーツホスト | ナノ

頭ががんがんと痛む。これが二日酔い?誰か薬をください。あと状況の説明も。



「やっと起きたか」
「だ、だだだ誰?!」
「こっちとしてはてめえが誰だと言いたい」



いやいやお兄さんこそ誰。銀髪でハーフっぽいお兄さんがわたしの横に寝ころんでいます。かっこいいのと、顔が怖いのとで心臓がばくばくいってます。



「おーい獄寺ぁ。あんまり怖がらせんなって。騒がれると面倒だろー」
「えっ」
「とりあえず、ベッドから起きようぜ?見ようによっちゃ獄寺が襲ってるように見えるのなー」
「お、そっ!?」
「誰がこんなガキ!」



慌ててベッドから飛び起きる。頭がぐわんぐわんしてる…、あ。



「…は、吐きそう…」
「「げっ」」
「ト、トイレ…、うえ」
「大丈夫か?」
「ちっ」



うずくまるわたしの背中を大きな手がさすってくれて安心したのも束の間、視界が回る。



「お、ぶっ」
「おい、ぜってー吐くなよ!」



知らない人にまでこんな迷惑をかけてしまうなんて情けない…。恥ずかしいのもあいまって、泣けてきた。



「なに泣いてんだ」
「そんなに気持ち悪いのか?ほら、水」
「あ、ありがとうございます…っ」
「落ち着いたか?」
「…すみません…」



ふかふかのソファーに腰かける二人をこそっと見たらやっぱりかっこよかった。わたしすごくボキャブラリー乏しいみたいだけど本当にかっこいいしか言えない。一人は純日本人らしく黒髪で爽やかそうな人。もう一人はハーフみたいに綺麗で少し怖い。



「で、お前誰だ」
「中村まりあです。お兄さん達は…?」
「山本武。ここでホストやってんだ。よろしくな、まりあ」



やっぱりホストなんだ…、そりゃそうだよね。差し出された手にわたしも手を差し出す。むに、………ん?むに?



「ん、B?」
「ぎゃあっ」
「……なんか色気もねーし」



む、胸わしづかみされた!ホストの挨拶?!違うよね、なにこの人変態?!



「ああでも柔らかさはあるのなー」
「や、やめっ」
「馬鹿か。俺は獄寺隼人」



獄寺さんの一言で山本さんがやっと手を離してくれた。ヒッ、なんか……睨まれてる?



「目つき悪ぃのは生まれつきだ」
「そ、そうなんですか」
「いや、あのツナがさぁ、女連れてきたって、しかも女子高生!どんなやつか気になるじゃん」
「?はあ…?」
「あれ?ツナの女じゃねーの?」



山本さんがニヤニヤしながら小指をぴんとたてる。女!私は慌てて首を横にふって否定する。違います!滅相もない!わたしなんかが!うえ、また気持ち悪くなってきた



「なーんだ。女じゃないのか」
「違います違います!」



山本さんがずいっと私に近づいて、にこっと笑う。……近すぎじゃないですか…?



「っ?!」



え、何?私いまキスされた?



「じゃあ俺がもらってもいいよな?ツナ」



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