お久しぶりとこの前会った


「あ、」
「おやまぁ」

いつも通り学食を食べようと食堂に行くと綾部がいた。
やはり髪が短くなっていて新鮮だ。

「…お久しぶり?」
「他に言うべき事はー?」
「…………。
 ……………………何かあったっけ?」

そう言うとブスッとした顔をして、そっぽを向いてしまった。
…少しからかい過ぎたか?

「冗談だ。
 あー……あの時は本当にすみませんでした」

相変わらずブスッとした顔のままだがこちらを向いた。

まぁ…綾部からしたらそう赦せるものじゃないだろう。
『仲良くなりたいから早く戻って』的な事を言った矢先に私が自殺したからなぁ……。
あれ、そう考えると私かなり酷い事したよね?

「……名前で呼んでくれるなら赦します」

……どこの乙ゲーだ。
って他の奴だったら言うな。

綾部があの時ああ言ったということは、私と親しくなる気があったということだ。
私が死んでそれは前世で叶わなかったから、今早く仲良くなりたいのだろう。

ということで。

「…今度から喜八郎ね、了解」
「あっ多上さん!?」
「あ、平と田村。久しぶり」
「ええ。同じ大学だったのですね」
「なっ…!多上さんがフランクになってる…!?
 そして三木エ門!お前は何でそんなに普通なんだ!」
「田村とはこの前町でばったり会ったから」

そう、大学近くの店でぶらぶらしてたら田村に会ったのだ。
もちろん怒られました。
でも逆に途中から泣き出したんだよね、田村。
あの時の対応は全力で困ったわ。
で、メアド交換してちまちま連絡を取っていた。


ここまで四年が集まるとあと一人が気になる。

「タカ丸さんならそろそろ来ますよ」

綾部…じゃなくて喜八郎がタイミング良く言った。
…いやタイミング良くじゃない。私の顔に出てたか。

「今世でも仲良しのようで何より」
「今世では仲良くしてくださーい」
「はいはい」








  


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