あの少年の今


「そういえば多上さんさぁ」
「何だ尾浜アイツらに連絡した恨みはいつか晴らす」
「うわ物騒」

あの日以来、今や同級生となった五年生と昼を共にするようになった。
たまーに六年も来る。四年はまだ会っていない。

「彼氏とかいるの?」

ブフォっと尾浜以外の四人が吹いた。
何もそんなに反応する話題でもない。
お前ら前世と合わせると三十路とっくに超えてんだろ。

「何で」
「んー。
 気になるお年頃だから☆」
「三十路超えてる奴が『お年頃』ねぇ……」

つか☆じゃねーよ☆じゃ。
何がそんなに楽しいんだ。

「もちろんい…」

♪〜♪〜

紅蓮の弓矢が流れた。
私のケータイだが何か。二次元は今も好きだが何か。

ちょっと失礼、と一声かけて少し離れた場所に行った。

ディスプレイを見ると宗太からだ。

「もしもし…どうした……。
 あぁ、それなら棚の上から二段目。
 そこじゃなかったらわからない。
 ………そう、じゃあまた何かあったら連絡して」

ピ、と通話を切り席に戻った。

「……顔が引きつっているけど何か」
「今のってまさか彼「んなわけねぇ。つかいらねぇ」」

竹谷が戯れ言を言うから被せてやった。

「弟だよ弟。前世孤児少年の」
「…え?」
「今高三で受験生になりたて。心理学系に行きたいんだとさ。
 で、今日は風邪で留守番」
「何だよ…」
「何ホッとし……あぁ、お前らどうて「女がそんな事言うな!」」
「何を言う鉢屋。男女差別は良くないぞ」

そして否定しないんだな。

「そういう問題じゃない!」
「別にいいだろ、別に」

こんなのが日常になりつつある現在。






  


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