最後で最高のプレゼントを


「うげっ…」

思わずそんな声が出た。
食事を乗せたトレーを落とさなかったのを誰か褒めてほしいレベルだ。

さて、現在の状況を説明する前に今までの事を話そう。




あの後、どういうワケか私は再び生を受けた。
自殺という、とても褒められた行為ではないことを二度もしたというのに。


前回の自殺の原因である人間不信は、この世界で十九年生きたことで多少改善された、と思う。

そう。十九年だ。

私は今月から大学二年生となった。
この大学を選んだ理由は、学長が『大川』でないこと、私が昔から興味のある分野の学部があることだ。
前世の記憶で大学受験は比較的楽だった。
まあそんなんで無事入学し、一年終わり、二年になって初の講義が今日だ。
そして人生初の学食を食べようとし、食事を受け取った後、席がないかと振り向いたところで彼らを見つけてしまった(←今ココ!)。




私の声が聞こえたからか一人がこちらに気付き、私と視線が交わった。
固まった。
そいつのフリーズ状態に気付いた隣の奴も私を見てフリーズ。
それが連鎖し、彼ら――五年生全員が私を見て固まった。
一番に石化した私は石化状態がいち早く解けた。
あいつらが固まっている間に逃げてやろうとして動くと

「ま、待て!」

と久々知が私にストップをかけた。
もうちょっと石化してろよ。

「席一つ空いてるからさ、ここ座れよ」
「だが断「いーからこっち来い」…チッ」

鉢屋が強制しやがった。
何でここは六人がけのテーブルが多いんだ。
恨むぞ大学。
そして何故真ん中に座らせようとする。
断りたいが全員視線で圧力かけてくるし。

…ああもう仕方ない。
わざと溜め息を吐きながら席に着いた。

「さて…」

不破が私の方を見てニコリとした。

「ちょっと説教聞いてきなよ」









  


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