「雨箕さーん!」
「何かねへっぽこ事務員……………ナントカ」
「小松田です」
「困ったさんか、わかった」

小松田は言い返そうとしたのか口を開いたので、それより前に先を促してやった。
何とも言えない顔をしている。中々に愉快だ。

「…立山ナントカさんからお手紙が届いています」

受け取り、表裏ひっくり返して見てみるが、差出人の名は入っていない。
こいつら中確認したな。
姿を隠してはいるが近くにいる奴らを睨んでやろうかと思ったが、止めた。
私の予想が当たっていれば読めなかったはずだ。

彼らの前だが気にせずに中を取りだし広げた。
差出人は『立山縄垂(たてやまじょうすい)』…。
越中にいる全国四十八天狗が一人だ。
だが私の予想では書いたのは違う奴だ。
そしてその内容もまた予想できている。
本文に目を向けてみると縦書きのアルファベットが綴られていた。
内容も自分の予想と違わない。

「せっかく予想外の出来事でここに来たんだ……少しぐらい予想外の事が起きたっていいじゃないか……」

ため息混じりに言った言葉に目の前の小松田が不思議そうな顔をしたが、礼を一つ言って彼の前から去った。
手紙にはこう書かれていた。

今日の宵、私達を向かわせる。
私の行動があなたにわかったのと同様に、私にもあなたの行動がわかっている。
あまり変な噂が流れぬよう十分注意されたし。




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