「天女さ「抉るぞ」…雨箕さん、雨箕さんって既婚者なんですか!?」

なんだ大川殿もう話したのか。
帰って来るなりわらわらと寄って来る一年生(水色に井と丸はそうだったはずだ)を見、そう思った。
いつかは言うと思っていたがこんなに直ぐとは。

「ああ。といっても未亡人だがな」
「え、再婚とかは、」
「今のとこそんな予定は無い。それにその場合の相手は決めている」

十歳児に質問させるくらいだったら自分で訊けば手間が省けるだろうに。
全く、馬鹿しか居ないな。

「そう十四歳児と十五歳児に伝えておけ」





「…で、雨箕殿、相手はどなたじゃ」
「おや、もう聞いたのか。情報交換が盛んな様で何より」

大川殿に先ほどの話題を振られた。
何も言わずにいたら視線で「早く言え」と訴えられた。
プライバシーの概念は日本人は強いはずなのだがなぁ。

「…白澤っていう桃源郷在住のクソ野郎だ」
「クソ野郎とは随分な言い様じゃのう」
「白澤が良い理由は『好きだから』なんて若い理由ではないからな」
「ほぅ。では何故?」
「そうだな……ざっくり言うと…
 限りなく同一に近い時を生きられるから、だ」
「どういうことじゃ?」
「そのまま、としか言い様が無い」








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