経緯  



「うわぁぁぁぁああああ!!!!」

全てはこの悲鳴から始まった。






八ツ代春は一週間程前、いわゆる『忍たま』の世界にやってきてしまった。

アニメを見て寝て、起きたら森の中。
どういうことだと思っていら、一方的に見知った顔の人が来たのでトリップしたと結論した。
その後学園に保護されたのだが、何と『天女様』がいた。
天女様といったら夢小説の中の悪者だが、「同じ時代の女の子の友達が欲しかったの!」の一言で春の滞在が認められてしまったので、春は何とも複雑な気持ちだ。

その天女様だが、一般的に上級生をメロメロにさせるものだがこの天女、学園中を骨抜きにさせていた。
こちらも良い話し相手なので春は放っておいた。


そして今朝、その天女様が死体で発見された。


犯人は判らず、天女様が死んだというのに彼女の補正は解けないまま。
生徒達の泣き叫ぶ声が聞こえる中、春は一人考え始めた。

フーダニット・ハウダニット・ホワイダニット…即ちミステリーの三要素、誰が・どのように・何故殺したかを。



その日の内に生徒達は集められ、天女様殺害事件の話が始まった。
誰も彼も「俺じゃない」「犯人は誰だ」「殺してやる」という言葉を放った。
春はそれをただ静観していたが、その様子を見て誰かが「お前じゃないのか」と言い出せば、天女を失った悲しみと怒りの矛先が春に向かった。
そんな訳ないじゃないかと思い、イラっとした春は立ち上がり、

「じゃあ私が天女様殺しの犯人を見つけます!」

と高らかに宣言した。いや、その場のノリでしてしまった。





現在の容疑者:全生徒・全職員




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