ひとりぼっち  


春は天井裏を見てぼうっとしてた。
昨日、レインと共に見たときは確かに血痕があったのに、今、現実世界ではそんなものはどこにもなかった。
灯りを持ってきてよく照らしても、やはり何もなかった。

「(私は……レインに随分助けられていたんだなぁ……)」

これが世に言う後の祭りか、とため息をついた。
本当に、レインが居ないと春に出来ることはほぼ無かった。
春は、自称探偵のバーローのように捜査や的確な聞き込みなどできない、普通の女の子なのだ。
そんな子が犯人捜しをしろ、というのがそもそも無理難題なのだ。

天井裏から出て、春は一度気持ちを切り替えるために外に出た。
けれど、気は切り替えられなかった。
犯人を特定しなければ見知らぬ土地で死ぬ。
けれどそんな力は自分一人にはない。

「(レインは私が詰まったらヒントを出してくれたし………………)」

そこまで考えて春は違和感を感じた。
それからレインの言っていた事を一つ一つ思い出し、そしてあることに気づきハッとした。

「(どうしてレインは私にヒントを出せたの?)」

そう。知っていなければヒントは出せない。
けれどもレインはヒントを出せた。

「(レイン……あなたは一体…………)」








夢小説??え?夢?
と自分でも思えてきた




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