無関心でありたいのにいられない | ナノ


▼ 用具委員会の場合


用具委員会?

用具委員ってどこにいるんだっけ。倉庫とか?
つかもう面倒だから下級生の誰かに「委員長に渡しておいて」って言って済ませたい。

ってか上級生は私に関わるな。
会うたび会うたび気持ち悪ぃ笑みを向けられる私のことを考えろ。
おっといけない。無関心無関心。

ふと周りを見てみると全然知らない所にいました。
おいおい、学校内で十八の女が迷子かよ。シャレになんねぇ。
鐘楼とか見えないかな。あれ目印になる。
キョロキョロ見回したが見当たらない。というか見つからない。
観察眼がないの忘れてた。

これは元来た道を戻るしかなさそうだ。
よし、戻るか。と思ったとき

「あれ?天女様?」

振り返ると食満少年がいました。

今私が彼に向けている顔はきっと酷いものでしょう。
眉間にシワ寄せて引きつった笑み or 「げっ」という顔
この二択でしょう。

もし食満少年がこれで貼り付けた笑みをしていたらもっと酷い顔をしていたでしょうが、幸運な事に嫌悪感が薄ら滲む不思議そうな顔でした。
とりあえず書類を渡します。
無言でズイ、と書類を差し出すというかなり失礼な態度をとってしまいましたが、食満少年は受け取ってくれました。

「…これは?」
「各委員会への書類です。では」

そう言って私はとっとと退散しました。

いやだって話しかけられたくないし。
少年が思いもよらないという顔をしていたが、私君達と無関心でいようと決めたんだ。
こんな冷たい態度をとって私だって心が痛いよ?(極僅かに)

いやだって自分を殺そうとしているかもしれない人達に同情って難しいじゃん。
私、いくらキャラとはいえそんな人達にも優しくできる聖人じゃありません。
恨んでいないだけ褒めて欲しい。



とりあえず、その後無事に鐘楼の見える所まで戻れました。







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