無関心でありたいのにいられない | ナノ


▼ 決意

私はあなた達を信じていいの?

あなた達はもう私を殺さないの?

 私はこのままでいいの? 

………。
あぁ、もう一つのつっかかりとはこの事か。







私にとって『現実』になる前の彼らは好きだったのに、彼らが実際自分の前に現れた時、喜びの感情は一度も湧きあがって来なかった。
混乱していた、では足りない気がするし、自分が当事者になってはいけないと思っていた、でもまだ不足する。
天女設定ありと確定する以前に善法寺を見ての第一感想が「げっ」だったから、私がこっちに来る前にこの原因はある。

つまり、天女がいようがいまいが私は無関心でありたいと思っていたのだ。

その原因というのも、大体特定できた。
無意識に"そう"してきたということは、もうそれが板についてしまっているのだろう。

…彼らには大変申し訳がない。

彼らは自分のしてきた事を謝り、今度は歩み寄ろうとしてくれたというのに…。

「多上さん?」
「あ、はい。何ですか」
「うーん…多上さんボーッとしていたから。火が目の前にあるのに危ないですよ」

顔を覗きこむ一年生を見ただけで少し後ろめたい気持ちになった。
物を燃やしているのに注意を払っていなかったのを指摘してくれたお礼を言い、火に視線を移した。

少年の死によって出てきたマイナス思考で、わかりたくない……いや、知りたくなかった自分の心を知ってしまった。


……そろそろ、だろう。

遠くに駆けて行く少年を見ながらポツリと呟いた。


「大丈夫。         」







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